2024年からスタートした新NISAで買われている投資信託といえば、「S&P500(米国株」と「オルカン(全世界株)」の2つの指数に連動するインデックスファンドが挙げられるのではないでしょうか。
基本的には「S&P」または「オルカン」のどちらか1本に絞って、上限1,800万円投資枠を埋めきるのが無難だと言われています。
しかしながら、もう少し攻めの投資をしたいという考えを持っている人は「NASDAQ100」を組み合わせるのが最適です。
このページでは、新NISAにおすすめの組み合わせと割合を解説するので参考にしてください。
おすすめの組み合わせはオルカンとナスダック
結論から申し上げますと、新NISAにおすすめの組み合わせと割合は「オルカン(7割)」と「ナスダック(3割)」です。
まずはオルカンとナスダックの投資先や銘柄数を比較してみましょう。
投資信託 | 国・地域 | 主な業種 | 銘柄数 |
オルカン | 約50か国 |
|
約2,900銘柄 |
ナスダック | アメリカ | 情報技術 | 100銘柄 |
オルカンは全世界の先進国や新興国を含む約50か国に投資しているのに対し、ナスダックはアメリカのみに投資しています。
ナスダックには金融やヘルスケアの業種が含まれていないため、リーマンショックのような金融ショックが発生しても底堅い特徴があります。
オルカンの特徴
「オルカン」の正式名称は、三菱UFJアセットマネジメント株式会社が運用する投資信託「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」です。
- 全世界の約50か国が投資対象
- 先進国・新興国の大型株・中型株で構成
- アメリカのMSCI社が算出
- 構成銘柄は約2900銘柄
- 世界経済に合わせて組み入れ対象銘柄を自動変更
オルカンは先進国が約9割・新興国が約1割の割合で構成されています。
2024年時点では、構成銘柄は約2900銘柄でその上位10銘柄はすべてアメリカ企業になっています。
ナスダックの特徴
「ナスダック」は、アメリカのNASDAQ市場の時価総額ランキングで100位に入る銘柄で構成されています。
2024年1月時点でのNASDAQ100上位10銘柄は以下の通りです。
銘柄名 |
1.Microsoft |
2.Apple |
3.NVIDIA |
4.Amazon |
5.META |
6.BROADCOM |
7.ALPHABET INC-CL A |
8.ALPHABET INC-CL C |
9.TESLA |
10.COSTCO WHOLESALE |
ナスダックは業種がハイテクやITに偏っており、銘柄数が100ほどと分散性が低くハイリスクハイリターンです。
米国のナスダック市場の株価指数であるNASDAQ100に連動し、基準価額が2倍程度の値動きになるように設計されたレバレッジ型投資信託のことを「レバナス」と呼ばれています。
オルカン+ナスダックの注意点
オルカンは1本で全世界の株式に分散投資できるというものです。
オルカンに他の銘柄を組み合わせるということは、攻めの投資を行おうとしているということになります。
リスクを高めてリターンを狙いたいというのであれば、オルカンに他の銘柄を組み合わせる選択もありです。
ナスダックのみへの投資はおすすめしない理由
ナスダックのみへの投資はおすすめしない理由は以下の3つが挙げられます。
- ハイリスク・ハイリターン
- 約10年間の低空飛行
- 手数料が比較的高め
オルカンのみの投資では物足りないからナスダック一本で攻めたいと考える人も多いのではないでしょうか。
アメリカはこれからもずっと世界経済の中心とは限らないという可能性もあります。
ハイリスク・ハイリターン
NASDAQ100のみへの投資をおすすめしない理由1つ目は、かなりハイリターン・ハイリスクになってしまうからです。
ナスダックの値動きは非常に大きく、ショック相場時は他銘柄より株価が大暴落します。
2001年のITバブル崩壊や米同時多発テロなどで大きなダメージを受けています。
引用元:google finance
反面、上げ相場時はハイリターンかつ長期目線では右肩上がりが期待できるため注目が集まっています。
約10年間の低空飛行
NASDAQ100のみへの投資をおすすめしない理由2つ目は、過去に約10年間の低空飛行があったことです。
長期チャートを見ると右肩上がりのパターンを形成していますが、実は2005年から2015年にかけて上値を更新していません。
引用元:google finance
ハイリスクは見て見ぬふりをしてハイリターンに勝負をかけたにも関わらず、10年間も鳴かず飛ばず状態が続く可能性もあります。
今後も高値更新を継続するかどうかは分からないという認識は持っておきましょう。
手数料が比較的高め
NASDAQ100のみへの投資をおすすめしない理由3つ目は、手数料が比較的高めだということです。
- オルカンの最安手数料:0.05775%
- ナスダックの最安手数料:0.198%
インデックスファンドの手数料の平均は0.1~0.2%だと言われているため、ナスダックの手数料が特別高いというわけではありません。
この信託報酬コストの差こそが長期投資の利益の差につながります。
オルカンとナスダック併用のメリット
オルカン+ナスダック併用のメリットは以下の3つが挙げられます。
- 運用利回りが高まる
- 金融ショックに強くなる
- 資産形成を楽しめる
投資初心者や投資に時間をあまりかけたくない方におすすめなのは、間違いなく「全世界株式(オルカン)」です。
しかしながら、もう少し攻めの投資をしたいという考えを持っている人は「NASDAQ100(ナスダック)」を組み合わせるのが最適です。
運用利回りが高まる
オルカン+ナスダック併用のメリットは、運用利回りを高められるところです。
過去10年間のナスダックの利回りは以下の通りです。
2014年 | 39.2% |
2015年 | 9.7% |
2016年 | 2.2% |
2017年 | 28.0% |
2018年 | -3.4% |
2019年 | 38.7% |
2020年 | 39.2% |
2021年 | 43.4% |
2022年 | -22.9% |
2023年 | 56.2% |
平均 | 23.03% |
オルカンの過去30年間の利回りは平均8.7%なので、オルカン一択よりもオルカン+ナスダックのほうが平均利回りが高まります。
金融ショックに強くなる
オルカン+ナスダック併用のメリットは、金融ショックに強くなるところです。
ナスダックには金融やヘルスケアの業種が含まれていないため、リーマンショックのような金融ショックが発生しても底堅い特徴があります。
なおかつナスダックは値動きが大きいため、値を下落前の水準まで戻す期間も短い傾向です。
ショック相場が発生して暴落した時に狼狽売りせず、握力を高められるかどうかが問われます。
資産形成を楽しめる
オルカン+ナスダック併用のメリットは、資産形成を楽しめる(スリルを味わえる)ところです。
投資信託で資産を形成するためには、オルカン1本に絞って上限1,800万円投資枠を埋めきるのが最適解だと言われています。
オルカンは全世界株価指数「ACWI」に連動するインデックスファンドで、先進国(23ヵ国)・新興国(24ヵ国)の株式約3,000銘柄で構成されています。
引用元:三菱UFJアセットマネジメント
しかしながら、ネットや書籍を調べれば調べるほどオルカン1本では時間がかかりすぎて稼げない等といった意見が散見されます。
老後資金を築きたいのであればオルカン1本で問題ありませんが、FIREやセミリタイアを目指している人は「攻めの投資」を組み込む必要があるかもしれません。
オルカンとナスダック併用のデメリット
オルカン+ナスダック併用のデメリットは以下の3つが挙げられます。
- 分散効果はほとんどない
- 狼狽売りを誘発しかねない
- ナスダックはやめとけ?
下手な動きをせず低リスクのインデックス運用の投資信託を買って放置しておくのが最適解です。
『運用成績が最も良かった人の属性は亡くなった方』という説があるくらい、投資は余計なことをしないほうが運用成績が良くなります。
分散効果はほとんどない
オルカン+ナスダック併用のデメリットは、分散効果はほとんどないところです。
オルカンは約60%が米国株式で構成されているため、ナスダックとオルカンを組み合わせても米国市場の影響を大きく受けることになります。
ナスダックは主に米国のハイテク企業を中心とした100銘柄で構成されており、特定のセクターに集中しています。
分散効果を得るためには、異なる地域やセクターに投資するファンドを組み合わせることが推奨されます。
狼狽売りを誘発しかねない
オルカン+ナスダック併用のデメリットは、狼狽売りを誘発しかねないところです。
ナスダックの値動きは非常に大きく、ショック相場時は他銘柄より株価が大暴落しやすいです。
高いボラティリティの中で利益を出すのはプロの投資家にも難しいため、投資初心者はなるべく避けたほうがよいかもしれません。
ナスダックはやめとけ?
オルカン+ナスダック併用のデメリットは、『ナスダックはやめとけ』という意見が多いからです。
株価は需給のバランスによって決定するため、買いたい人が多ければ上がり売りたい人が多ければ下がります。
ナスダックはハイリスクハイリターンというイメージが根強いので、ショック相場時は真っ先に売られます。
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オルカン+ナスダック=最強まとめ
- 運用利回りが高まる
- 金融ショックに強くなる
- 資産形成を楽しめる
- 分散効果はほとんどない
- 狼狽売りを誘発しかねない
- ショック相場時は売られやすい
新NISAを利用してオルカンとナスダックに投資するのは、特に長期的な視点で考えると魅力的な選択肢です。
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