これからインデックス投資を始めようと思っている投資初心者は、「米国株」と「全世界株」のどっちに投資すべきか悩まれているのではないでしょうか。
インデックス投資を始める際に避けては通れない問題が「米国株一本に絞るか、全世界株で分散するか」が永遠のテーマになっています。
このページでは、新NISAでの資産運用はオルカンとS&P500のどっちがいいかを比較していきます。
「米国株」か「全世界株」の2択で悩んでいる方に向けて、投資判断の基準をお伝えしていくので参考にしてください。
【結論】迷うなら両方買うべき
いきなり結論から申し上げますと、新NISAでオルカンとS&P500のどちらかに決めきれない場合は「両方に投資する」という選択肢もアリです。
投資信託で資産を形成するためには、オルカン1本に絞って上限1,800万円投資枠を埋めきるのが最適解だと言われています。
しかしながら、ネットや書籍を調べれば調べるほどオルカン1本では時間がかかりすぎて稼げない等といった意見が散見されます。
老後資金を築きたいのであればオルカン1本で問題ありませんが、FIREやセミリタイアを目指している人は「攻めの投資」を組み込む必要があるかもしれません。
上記の理由から、オルカンより利益率が高いS&P500を新NISAで運用したいと考える人が多いようです。
どちらも優れた投資先であることは間違いないので、長期的に運用をすればどちらも優れたパフォーマンスを見せてくれるはずです。
オルカンの基本情報
「オルカン」の正式名称は、三菱UFJアセットマネジメント株式会社が運用する投資信託「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」です。
- 全世界の約50か国が投資対象
- 先進国・新興国の大型株・中型株で構成
- アメリカのMSCI社が算出
- 構成銘柄は約2900銘柄
- 世界経済に合わせて組み入れ対象銘柄を自動変更
オルカンは先進国が約9割・新興国が約1割の割合で構成されています。
オルカンは全世界株価指数「ACWI」に連動するインデックスファンドで、先進国(23ヵ国)・新興国(24ヵ国)の株式約3,000銘柄で構成されています。
引用元:三菱UFJアセットマネジメント
2024年時点では、構成銘柄は約2900銘柄でその上位10銘柄はすべてアメリカ企業になっています。
S&P500の基本情報
S&P500とは、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスLLCが公表している米国株式市場の株価指数です。
- ニューヨーク証券取引所やNASDAQに上場している約500銘柄で構成
- 市場規模・流動性・業種などを考慮して銘柄選定
- 時価総額を加重平均して算出
- 米国株式市場の時価総額の約80%を補填
- 米国株式市場の動向を反映する代表的な指数として広く認識
S&P500の組入銘柄として採用されるための条件は以下の通りです。
- 本社がアメリカにあること
- 時価総額が8.2億ドル以上であること
- 流動性の高い株式であること
- 公開株式の50%以上が公開取引されていること
- 最近の四半期に正の利益を報告していること
組入銘柄上位は世界的にも有名な企業が占めていることが確認できます。
コード | 銘柄 | 業種 | 構成比(%) | |
---|---|---|---|---|
1 | AAPL | コンピュータ・通信機 | 7.00 | |
2 | MSFT | ソフトウェア | 6.40 | |
3 | NVDA | 電子機器・部品 | 6.00 | |
4 | AMZN | 情報サービス | 3.50 | |
5 | META | 金融サービス | 2.50 | |
6 | GOOGL | インターネット | 1.90 | |
7 | BRKB | 投資会社 | 1.70 | |
8 | GOOG | インターネット | 1.60 | |
9 | AVGO | 電子機器・部品 | 1.60 | |
10 | TSLA | 自動車 | 1.50 |
※2024年09月30日時点
インデックス投資をおすすめしない?
インデックス投資をおすすめしない理由は以下の5つが挙げれらます。
- リアルタイムに購入できない
- 継続するのは簡単ではない
- 期待リターンは限定的
- 配当金は貰えない
- 元本保証ではない
インデックス投資にはメリットが多いものの、人によってはデメリットや落とし穴に感じてしまう部分もあるのは間違いありません。
ちなみに私は新NISAでオルカンに投資をしています。新NISAでの資産運用に興味がある方はチェックしてみてください。
米国株(S&P500)を選択するべき理由
新NISAでの資産運用に全世界株(オルカン)よりも米国株(S&P500)を選択するべき理由は以下の通りです。
- 米国は世界No.1の経済大国
- 全世界株の内訳は6割以上が米国株
- 全世界株は成長性の乏しい国の銘柄も含む
S&P500(米国株)と全世界株(オルカン)の過去10年間のパフォーマンスを比較したグラフを楽天証券でチェックすることができます。
S&P500(米国株)は過去10年間で5倍以上も成長するなど、全世界株(オルカン)のパフォーマンスを遥かに超えていることが分かります。
米国は世界No.1の経済大国
米国株(S&P500)を選択するべき理由は「米国は世界No.1の経済大国」だからです。
各国の経済規模の大きさを表す指標GDP(国内総生産)はアメリカが1位で、世界最大の経済大国としての地位を維持しています。
アメリカは製造業・サービス業・テクノロジー・金融・医療など非常に多様な経済基盤を持っており、一つの産業が不調でも他の産業が支えられます。
全世界株の内訳は6割以上が米国株
米国株(S&P500)を選択するべき理由は「米全世界株の内訳は6割以上が米国株」だからです。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の構成割合を示したデータを見ると、構成銘柄の約6割はアメリカ企業になっています。
引用元:三菱UFJアセットマネジメント
全世界株の約6割が米国株なのであれば、全世界に投資していても結局のところアメリカに投資をしているのとさほど変わらないという理屈です。
全世界株は成長性の乏しい国の銘柄も含む
米国株(S&P500)を選択するべき理由は「全世界株は成長性の乏しい国の銘柄も含む」からです。
全世界株式は、全世界にある主要企業の株価を1つにまとめた詰め合わせお弁当パックのようなものです。(米国企業が白いご飯ポジション)
オルカン | S&P500 | ||
---|---|---|---|
アメリカ | 63.8% | アメリカ | 100% |
日本 | 5.5% | – | – |
イギリス | 3.4% | – | – |
フランス | 2.8% | – | – |
カナダ | 2.8% | – | – |
その他先進国 | 11.7% | – | – |
中国 | 2.5% | – | – |
インド | 1.8% | – | – |
台湾 | 1.8% | – | – |
その他新興国 | 3.9% | – | – |
成長の乏しい国の銘柄に投資するよりも成長が著しい国にのみ投資したほうが良いのは間違いありません。
全世界株(オルカン)を選択するべき理由
新NISAでの資産運用に全世界株(オルカン)よりも米国株(S&P500)を選択するべき理由は以下の通りです。
- 米国一強の時代が永遠に続くとは限らない
- 全世界株は強い国の銘柄に組み換えられる
- 全世界株はインデックス投資の生みの親も推奨している
全世界株式に投資する投資信託を1本買っておけば完全なリスク分散が可能になっています。
米国一強の未来を100%信じ切れないなら、米国株(S&P500)ではなく全世界株(オルカン)に投資してみましょう。
米国一強の時代が永遠に続くとは限らない
全世界株(オルカン)を選択するべき理由は「米国一強の時代が永遠に続くとは限らない」からです。
もし今後アメリカ経済に打撃を与えるような出来事が発生した場合、価格の下落が大きくなる可能性があります。
S&P500はアメリカ経済が好調な時は大きな利益を得られますが、損失リスクを抑えて投資したいなら多くの国に分散して投資するオルカンを選んでおくほうが無難です。
全世界株は強い国の銘柄に組み換えられる
全世界株(オルカン)を選択するべき理由は「全世界株は強い国の銘柄に組み換えられる」からです。
時価総額が高い国や企業には多く投資して時価総額が低い国や企業には少なく投資する比率調整が自動で行われています。
今後どこの国が世界の主役になるか分からないと考える場合は、全世界株式(オルカン)に投資しておけば安心です。
全世界株はインデックス投資の生みの親も推奨している
全世界株(オルカン)を選択するべき理由は「全世界株はインデックス投資の生みの親も推奨している」からです。
「インデックス投資の父」とも呼ばれている米国バンガード・グループの創業者であるジョン・ボーグル氏は、全世界株式について次のように述べています。
完全なリスク分散を望むのであれば、全世界株式に投資する投資信託を1本買っておけば問題ないという理屈です。
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オルカン・S&P500どっちがいい?まとめ
- 全世界株
- 分散効果:世界中の株式に投資することでリスク分散が可能。
- 安定性:特定の国や地域の経済に依存しないため安定的な成長を期待できる。
- 成長機会:新興国市場など成長が見込まれる地域への投資も含まれる。
- 米国株
- 経済規模:世界最大の経済大国であるアメリカの企業に投資。
- 技術革新:テクノロジーセクターが強く革新企業が多い。
- 過去の実績:長期的に安定した成長を見せている。
どちらも優れた投資先であることは間違いないので、長期的に運用をすればどちらも優れたパフォーマンスを見せてくれるはずです。
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