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世界の不安定な状況や経済危機の際に、円は安全資産とみなされて買われる傾向があります。
しかしながら、近年は北朝鮮が弾道ミサイルを発射するような有事が発生しても円高にならなくなっています。
為替相場が円安・円高というように変動する要因は、2つの通貨の需給バランスが大きいと言われています。
円を売ってドルを買いたい人が多ければ円安ドル高になり、円を買ってドルを売りたい人が多ければ円高ドル安になります。
円高・円安のバランスが傾く要因は様々ですが、近年は政策金利などの様々な要因から円極端に弱くなっています。
このページでは、為替相場が変動する理由や原因について解説していくので参考にしてください。
弾道ミサイル発射による為替相場への影響
2018年頃までは、北朝鮮の弾道ミサイル発射報道で円高が急速に進行する傾向がありました。
日本が重大な危険にさらされているにもかかわらず、有事の円買いで円が買われる展開になりやすい状態が続いていました。
しかしながら、2020年頃からは北朝鮮が弾道ミサイルを発射しても為替相場には影響が出なくなってきています。
北朝鮮が弾道ミサイルを日本海にむけて発射することが、すでに為替相場に反映されているからだと思われます。
固定相場制と変動相場制の違い
1973年頃まではドル円相場は「1ドル=360円」固定にされていました。
その後は固定相場制から変動相場制に移行して、その時々の金融政策や経済状況などによって為替相場が動くようになっています。
引用元:google finance
- 固定相場制:国の通貨の価値を他国の通貨や貴金属に対して一定に固定する為替制度
- 変動相場制:通貨の為替レートが市場の需要と供給によって自由に変動する制度
政府や中央銀行が市場に介入し、為替レートを一定の水準に維持するために必要な取引が行われます。
固定相場制は日本の経済成長を支えるための政策の一環として続けられていましたが、1971年にニクソン・ショックが発生し1973年にはドルの金の価格が変更されたことで変動相場制に変更しています。
2000年以降の円相場は1ドル=100円~150円前後で推移しており、当初の1ドル=360円と比較すると円高になっていると言えます。
リスクオンの意味
リスクオンとは、投資家がリスクと取っても良いと判断し、新興国通貨等のリスクが高い資産を買う動きのことです。
相場がリスクオンムードの状態は、投資に向いている資産が買われて、資金調達に向いている資産や価値の保存に向いている資産が売られる傾向があります。
文字通りに受け取るとリスクがオン(発生)するという意味にとらえてしまいがちですが、積極的にリスクを取って比較的危険なリスク資産を買う相場のことを言います。
リスクオフの意味
リスクオフとは、経済不安が広がったり地政学的リスクが高まった時に、投資家が株式や新興国通貨などリスクが大きい資産を手放す動きのことです。
相場がリスクオフムードの状態は、損失リスクを避けて比較的安全資産とされている国債などの資産に資金を振り替える動きが見られます。
文字通りに受け取るとリスクがオフ(消滅)するという意味にとらえてしまいがちですが、リスクを避けて比較的危険な資産を手放す相場のことを言います。
遺憾砲は意味ない?
遺憾砲とは、北朝鮮がミサイルの可能性のある飛翔体を発射した後に、日本政府が「きわめて遺憾」という言葉を打ち返すものです。
『遺憾』という言葉を外交の舞台に用いたのは日本が初で、残念に思うという表現をしながら『怒り』を伝えるという意味です。
北朝鮮がミサイルを発射するたびに、日本政府は北朝鮮に対し厳重に抗議したと報じられますが、実は北朝鮮大使館にファックスを送っているだけという情報があります。
スプレッド拡大に注意が必要
北朝鮮によるミサイル発射やテロ、米国大統領等の要人によるサプライズ発言などでスプレッドが拡大することがあります。
FXのスプレッドとは実質的な手数料(コスト)です。
売りたい人や買いたい人が少ない時期や時間帯は、FX相場の急変動が起こる可能性が高まります。
流動性が高い米国の雇用統計や政策金利などの発表前後も、相場が急激に変動しやすくスプレッドが広がるので注意が必要です。
有事の際に買われやすい通貨とは
世界経済に影響を及ぼしかねない戦争や災害などの有事の時は、有事が発生している国から経済的にも物理的にも離れている国の通貨が買われやすくなります。
今までは日本で災害が発生しても円が買われるほど有事の円買いが強い時代が続いていましたが、近年は政策金利などの様々な要因から米ドルが強くなっています。
他の国と陸続きになっていない島国の通貨も、有事の際の資金逃避先になりやすい傾向があります。
有事の円買いとは
有事の円買いとは、戦争や大災害などの有事が起こった時に、リスク回避の手段とし比較的安全な通貨とされる円を買う人が増える動きです。
有事の円買いは、日本が世界最大の対外純資産国であることが背景にあるという解説をされてきました。
しかしながら、今年2月末から始まったロシアとウクライナの戦争で、為替相場は有事の円買いにならずに円全面安になっています。
有事のドル買いとは
世界経済に影響を及ぼしかねない戦争や災害などの有事の時は、リスク資産に投資されていたお金がリスク回避のために現金化される動きがあります。
世界の投資家は米ドルを軸にして世界中に投資をしており、リスクオフ相場時は損失回避のためにリスク資産が一旦現金されるので米ドルが上昇しやすくなります。
戦争や災害などの有事が発生している国から遠い国の通貨が買われやすくなることもあります。
円安のメリット・デメリット
円安のメリット・デメリットは以下の通りです。
個人 | 企業 | |
メリット | 外貨や外国株式での資産が増える | 輸出企業の業績が良くなる |
デメリット | 輸入商品が値上がりする | 輸入企業の業績が悪くなる |
円安が進行すると様々な商品が値上がりすることになります。
円安からくる値上げは、ひとつひとつの商品では10~100円前後になるため実感が湧きませんが、月間ベースで支出を計算するとかなりの負担になると思います。
円高のメリット・デメリット
円高のメリット・デメリットは以下の通りです。
個人 | 企業 | |
メリット | 輸入商品が値下がりする | 輸入企業の業績が良くなる |
デメリット | 外貨や外国株式での資産が減る | 輸出企業の業績が悪くなる |
円高の最大なメリットは外国からの輸入品が安く買えることです。
エネルギー価格も円換算すると安くなるため、ガソリンや電気ガス代なども安くなり家計の負担が軽くなります。
為替相場が変動する理由
金利が高い国の通貨は上昇し、金利が低い国の通貨は下落する傾向があります。
利息を多くもらえる国の金融機関に預けたほうが有利になる、という金利面での影響が強いとされています。
他にも、インフレが起きている国の為替レートは安くなりやすく、デフレが起きている国の為替レートは高くなりやすい傾向があります。
- インフレーション:物価が上昇して通貨価値が下降する
- デフレーション:物価が下降して通貨価値が上昇する
しかしながら近年の米国のように、インフレを抑えるために中央銀行が利上げをするのであれば、他国との比較で為替レートは高くなりやすいです。
FX初心者が利益を出すためのポイント
FX初心者が利益を出すためのポイントは以下の3つが挙げられます。
- FXの基礎知識を身につける
- 自分で決めた取引ルールを守る
- 生活に支障が出ないお金しか使わない
X(旧ツイッター)やyoutube等をチェックすると、FXで月に100万円以上稼いでいる人も散見されます。
そのようなものは全て「投資リスクを他人に負わせて広告報酬を得ることが目的」だと思っておきましょう。
FXの基礎知識を身につける
FXで安定的に稼げるようになるには、取引に関する基礎知識を学んで実践を繰り返す必要があります。
しっかりとした知識や経験を身に付けることで、確実に勝率を上げていくことができます。
- 指値注文
- 逆指値注文
- 成行注文
- 通貨ペア
- 必要証拠金
- 維持率
- スプレッド
- ロット
- スワップポイント
- レバレッジ
FXの本を読んでも必ず勝てるようになるとは限りませんが、最低限の知識を学んでからトレードを始めなくてはいけません。
自分で決めた取引ルールを守る
テクニカル分析・ファンダメンタルズ分析等、値動きに影響する様々な知識を身につけても安定して利益を出せません。
その段階になった時点からは、自分の取引ルールを構築していく必要性を感じると思います。
- 重要な経済指標発表時はトレードしない
- 時間帯を絞ってトレードする
- ポジションを持ち越さない
自分で決めたルールさえ守れていれば、大損をして1年以内に退場してしまう可能性は低くなります。
生活に支障が出ないお金しか使わない
FXトレードは最悪無くなっても良いと割り切れる余剰資金でするものです。
取引している通貨ペアの値動き次第では、毎日頑張って働いて稼いだお金が一瞬で消し飛ぶ可能性があります。
借金をしたり生活費を切り崩してまで用意した資金では、精神的恐怖心がトレードに影響してしまうので止めておきましょう。
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ハピタス会員登録のやり方は別ページで解説しています。
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有事の円買いまとめ
- 地政学的リスクが高まるとリスク回避で円が買われる
- 投資家の間で「有事の円買い」が共通認識となっている
- 日本は経済的に安定しているため危機時には円が選ばれやすい
- 日本の低金利政策により円はキャリートレードの対象となりやすい
- リスクオフのニュースが流れると自動的に円買いが行われる設定になっている
円高・円安のバランスが傾く要因は様々ですが、近年は政策金利などの様々な要因から米ドルが強くなっています。
2000年以降の円相場は1ドル=100円~150円前後で推移しており、当初の1ドル=360円と比較するとまだまだ円高の状態だといえます。
米ドルは世界の基軸通貨という強みから、有事の際は買われやすい傾向があります。
しかしながら、米国でテロや金融危機が発生した場合は米ドルが急激に売られることも念頭におきましょう。
投資対象の特徴やリスクをきちんと把握したうえで、長期的な視点で投資を続けることが重要です。
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