70歳以上で投資信託を始めるか迷っている方や、すでに保有している投資信託を老後の生活に合わせて見直したい方もいるのではないでしょうか。
70代の資産運用では、若い世代のように資産額の最大化だけを目標にするのではなく、年金と預貯金で暮らしを維持しながら資産寿命を延ばす視点が重要です。
投資信託は少額から複数の資産や地域へ分散投資できる商品ですが、元本保証はなく購入後に評価額が下がる可能性があります。
そのため70歳以上の投資では、生活費や医療・介護などに備える資金を先に確保し、残った余裕資金だけを運用へ回す順序が欠かせません。
このページでは、投資信託と預金・個人向け国債の違いや新NISAの利用方法、購入手順や取り崩し設計までを具体的に解説します。
投資信託を70歳以上で始める際の不安を整理し、増やすことと守ることのバランスを考える材料としてお役立てください。
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70歳以上の投資信託は「増やす」より「減らさない」資産運用が基本

70歳以上の資産運用では、保有資産を何倍にも増やすことより、必要な時期に必要な金額を取り出せる状態を保つことが中心課題です。
公的年金が毎月の土台になっていても、物価上昇・住居の修繕・医療費・介護費・冠婚葬祭などにより支出が増える場面があります。
一方で、株式の比率が高い投資信託に資金を集中させると、大きな相場下落と取り崩し時期が重なった場合に資産減少が加速するおそれがあります。
70代から投資信託を利用するなら、預金や個人向け国債などの安全性を重視した資産を土台に置き、その上に値動きのある資産を必要な範囲で組み合わせる発想が基本です。
すでに十分な生活資金を確保している方と毎月の生活費を預貯金から補っている方では、許容できる価格変動の大きさがまったく変わります。
投資信託の選択より先に家計の収支と資産の役割を整理すると、販売側の提案に流されずに判断できます。
ざくざく



ここからは、投資目的・必要資金・余裕資金という三つの土台から70歳以上の資産運用について解説していきます。
高齢者が投資信託を検討する理由と老後の資産運用で決めるべき目的
高齢者が投資信託を検討する主な理由は、預貯金だけでは物価上昇に対応しにくいこと、年金以外の収入源を補いたいこと、相続までに資産価値を極端に目減りさせたくないことなどです。
ただし「周囲が新NISAを始めたから」「銀行で勧められたから」という理由だけでは運用方針として不十分です。
投資目的は、毎月の赤字補填・5年後以降の予備資金・介護費への備え・旅行などのゆとり資金・相続する資産の維持といった形で用途と時期まで確認しましょう。


※AI(Gemini)によって生成されたイメージ図
目的が毎月の生活費なら短期間で売却する可能性があるため、価格変動が大きい商品への依存を抑える必要があります。
- 高齢者は物価高や年金不足の対策で投資
- 他人の勧めや流行だけでの開始は禁物
- 目的や時期を明確にして運用計画を立てる
- 短期で使う資金はリスクの高い商品を避ける
- 長期の資金は投信で物価上昇に備える選択
当面10年以上使う予定がない資金なら、世界株式や債券を含む投資信託を一部に組み入れ、物価上昇に対抗する選択肢を検討できます。
投資信託には、国内外の株式・債券・不動産投資信託・不動産以外の資産などへ投資するものがあり、商品ごとに損益の振れ幅は異なります。
高い分配金を掲げる毎月分配型の商品もありますが、分配金の一部が元本払戻金となる場合があり受取額だけで良し悪しを判断できません。
70歳以上では目的に合うリスク水準を先に決め、商品名や過去の順位は後から確認する順序が適切です。
| 資産運用の目的 | 資金を使う目安 | 検討の中心 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 毎月の生活費の補填 | 1年以内から継続 | 預金・個人向け国債を中心に管理 | 投資信託の売却を前提にしすぎない |
| 医療・介護などの予備費 | 時期を特定しにくい | 換金性と元本の安定を重視 | 価格下落時に売却する事態を避ける |
| 物価上昇への備え | 5年以上先 | 低コストの分散型投資信託を一部活用 | 元本割れを受け入れられる額に限定 |
| 相続する資産の維持 | 長期 | 家族と共有した配分で管理 | 相続手続きと保有商品の複雑さも確認 |
70歳からの資産運用で最初に確認したい生活費・年金収入・不足額
投資信託を70歳以上で始める前に、まず毎月の生活費と年金の手取り額を比べて家計が黒字か赤字かを確認します。
生活費には食費や光熱費だけでなく、固定資産税・自動車関連費・保険料・通信費・住居修繕費・趣味や交際費も含める必要があります。
年金収入は偶数月に受け取る額を月額へ換算し、税金や社会保険料が差し引かれた後の金額で把握することが必要です。
年間支出が年金収入を上回る場合はその差額は預貯金の取り崩し、就労収入や資産運用からの収入などで補うことになります。
- 年金の手取り額と生活費を比較する
- 赤字分は投資益でなく安全資産で補う
- 数年内に発生する特別支出を整理する
- 投資可能額と保護すべき資金を区別する
- 安定した資産運用の計画を立てる
ここで重要なのは、投資信託の期待収益だけで赤字を埋める計画を立てないことです。
市場の収益率は毎年一定ではなく、必要な年にマイナスとなる可能性があるため、生活費の不足分は安全資産から出せるように設計しましょう。
住宅の大規模修繕・車の買い替え・家電の更新・子や孫への援助など、数年以内に見込む特別支出を一覧にします。
家計の不足額が明確になると、投資に回せる額と絶対に価格変動へさらせない額の境界を定められます。
| 確認項目 | 集計方法 | 判断への影響 | 見落としがちな費目 |
|---|---|---|---|
| 毎月の基本生活費 | 通帳・家計簿から12か月分を平均 | 年金で賄えるかを確認 | 税金・保険料・自治会費 |
| 公的年金の手取り | 年金振込通知書を月額換算 | 毎月の不足額を計算 | 介護保険料などの天引き |
| 特別支出 | 今後5年程度の予定を書き出す | 現金で確保する金額を決定 | 住宅修繕・家電更新・冠婚葬祭 |
| 医療・介護の予備費 | 家族状況と公的制度を確認 | 投資資金の上限を調整 | 施設入居時の初期費用 |
投資に回せる余裕資金と生活資金を確保するための考え方
余裕資金とは、近い将来に使う予定がなく評価額が一時的に下がっても日常生活を損なわずに保有できる資金を指します。
単に銀行口座に残っているお金すべてを余裕資金と考えるのは危険です。
70歳以上では最低でも当面の生活費や予定済みの大口支出や医療・介護の予備費を現預金や個人向け国債などで区分してから、残額を投資対象として検討します。
生活費の何年分を安全資産として持つべきかは一律ではありませんが、年金だけで不足する金額・健康状態・住宅の状況・家族からの支援可能性によって判断します。
- 運用目的を用途と時期まで決める
- 年金の手取りと年間支出の差額を把握する
- 生活費と緊急資金を投資資金から分ける
- 近い将来に使う資金は安全資産で保有する
- 投資額は下落時も保有できる範囲に抑える
たとえば毎月の不足額が5万円なら年間60万円となり、これに複数年分の生活防衛資金と特別支出を加えた金額は値動きのある商品から外す考え方が有力です。
投資に回す額を決めた後も、一度に全額を株式型投資信託へ入れる必要はありません。
複数回に分けて購入する・債券や預金を組み合わせる・保有額の上限を設定するなどにより、購入直後の急落による心理的負担を抑えられます。
資産配分は、期待できる利益よりも下落した際に継続保有できるかという観点で決めることが70代の投資信託では特に重要です。
| 資金の区分 | 主な用途 | 候補となる置き場所 | 投資信託との関係 |
|---|---|---|---|
| 日常生活資金 | 毎月の支払い | 普通預金・定期預金 | 原則として投資対象外 |
| 近い将来の予定資金 | 修繕・旅行・贈与など | 預金・個人向け国債 | 売却時期が近いため慎重 |
| 緊急予備資金 | 医療・介護・突発支出 | 流動性の高い預金 | 価格変動商品へ回さない |
| 長期の余裕資金 | 物価上昇への備え・相続資産 | 投資信託と安全資産の組合せ | 許容損失の範囲で活用 |
70歳以上におすすめの金融商品は?投資信託・国債・預金を比較


70歳以上の資産運用では、投資信託だけで老後資金を管理しようとせず、預金・個人向け国債・必要に応じた投資信託を役割別に組み合わせることが重要です。
預金は元本の安定性と即時に使える流動性が大きな長所であり、日々の生活費や急な医療費に備える資金の置き場所として適しています。
個人向け国債は国が発行する債券で、商品性を理解したうえで利用すれば預金以外の安全資産の候補になります。
投資信託は国内外の株式や債券などへ分散投資でき物価上昇を上回る収益を目指せる一方、基準価額が下落し元本割れとなる可能性があります。
どの商品が最良かは年齢だけでは決まらず、毎月の収支・預貯金額・将来の支出予定・相続への考え方・価格下落への耐性を踏まえて決める必要があります。
金融機関が提示する利回り・分配金・ランキングは参考情報の一つにすぎず、将来の運用成果を保証するものではありません。






それぞれの金融商品の性質を比較し守る資金と育てる資金を分けることが、投資信託を70歳以上で保有する際の基本となります。
| 金融商品 | 主な特徴 | 元本割れの可能性 | 70歳以上での主な役割 |
|---|---|---|---|
| 普通預金・定期預金 | 流動性と元本の安定を重視できる | 預金保険制度の範囲内では限定的 | 生活費・緊急予備資金 |
| 個人向け国債 | 国が発行し、一定期間の保有を前提とする | 満期まで保有する場合の条件を確認 | 数年先まで使う予定のない安全資産 |
| 債券型投資信託 | 複数の債券へ投資する | 金利・為替・信用状況で変動 | 値動きを抑えた運用の一部 |
| 株式型投資信託 | 企業の成長に投資する | 相場環境により大きく変動 | 長期余裕資金の一部 |
| バランス型投資信託 | 株式・債券などを組み合わせる | 配分に応じて変動 | 資産配分を一本で管理する選択肢 |
高齢者におすすめの投資信託は低コストで分散できるバランス型
70歳以上の方が投資信託を初めて選ぶ場合、複数の資産へ自動的に分散するバランス型投資信託は候補の一つになります。
バランス型投資信託は、国内外の株式や債券や商品によっては不動産投資信託などを組み合わせ、一本で資産配分を持てる設計です。
株式だけに投資する商品と比べると値動きを抑える効果が期待できますが、株式比率が高い商品では大幅な下落も起こり得ます。
名称に「安定」「保守的」と書かれていても、実際の株式比率・外国資産の比率・為替ヘッジの有無・過去の最大下落率を確認することが欠かせません。
- バランス型投信は一本で分散投資できる
- 株の比率などで変動のリスクが変わる
- 長期の保有ではコストの低い品が有利
- 預金や国債と組み合わせる方法もある
- 資産全体での投資配分の確認が大切
購入時手数料が無料でも保有中には信託報酬などの費用が日々差し引かれます。
長期保有を想定する場合、同じような資産配分であれば信託報酬が低い商品は費用負担を抑えるうえで有利です。
一方でバランス型投資信託が必ず優れているわけではなく、預金や個人向け国債をすでに多く保有している方は、投資部分だけを低コストの株式・債券投資信託で構成する方法もあります。
大切なのは商品一本の良し悪しではなく、金融資産全体で株式・債券・現金の割合が目的に合っているかを確認することです。
| 確認項目 | 確認する内容 | 70代で重視する理由 | 目論見書での確認箇所 |
|---|---|---|---|
| 資産配分 | 株式・債券・その他の比率 | 価格変動の大きさに直結する | 基本投資割合 |
| 投資地域 | 国内・先進国・新興国の比率 | 地域ごとの景気や為替の影響を受ける | 投資方針・組入資産 |
| 信託報酬 | 保有中に負担する年率の費用 | 長期保有時の資産額に影響する | 運用管理費用 |
| 純資産総額 | ファンド全体の資金規模 | 繰上償還などの確認材料になる | 月報・交付目論見書 |
| 分配方針 | 分配の頻度と方針 | 元本払戻金の可能性を確認する | 収益分配方針 |
おすすめ銘柄を選ぶ前に知るべきファンドの仕組み・手数料・安全性
投資信託は、多数の投資家から集めた資金を運用会社が株式や債券などへ投資し、その成果が基準価額に反映される金融商品です。
販売会社である銀行や証券会社や運用会社や資産を保管・管理する信託銀行が役割を分担する仕組みであり、購入した資金が販売会社の財産と同一に扱われるわけではありません。
しかし、この仕組みがあるからといって投資対象の価格下落による損失まで防げるわけではありません。
投資信託の主な費用には、購入時にかかる購入時手数料・保有中に差し引かれる信託報酬・売却時などにかかる信託財産留保額があり商品ごとに条件が異なります。
- 投資信託は集めた金をプロが運用する商品
- 資産は分別管理されるが損失リスクもある
- 保有中の信託報酬など様々な費用がかかる
- 過去の成績だけで選ばず目論見書も見るべき
- しくみを理解できない商品は契約しない
特に信託報酬は基準価額から継続して控除されるため、表面上の口座引落しがなくても運用成果に影響します。
過去1年や3年の高い成績だけで銘柄を選ぶと、その時点で好調だった資産へ偏ることがあり、将来も同様の結果になる保証はありません。


金融庁の資産運用シミュレーターや各社の目論見書や月次レポートを使い、投資対象・費用・リスク・分配方針を比較しましょう。
高齢者向けとして紹介される商品であっても、複雑な仕組みや高い費用を十分に理解できない場合は契約を見送り、理解できる商品に絞る姿勢が必要です。
| 費用・確認事項 | 内容 | 確認時の注意 | 家計への影響 |
|---|---|---|---|
| 購入時手数料 | 購入額に対して販売会社へ支払う費用 | 無料の商品もあるため比較する | 購入直後の投資元本が減る |
| 信託報酬 | 運用・管理のために保有中負担する費用 | 年率と資産配分を併せて比べる | 長期では差が積み上がる |
| 信託財産留保額 | 換金時に信託財産へ留保する費用 | 設定がない商品もある | 売却手取額に影響する |
| 基準価額 | 投資信託の一口当たりの価値 | 高値・安値だけで割高判断はできない | 評価額と売却額が変動する |
| 交付目論見書 | 商品性・費用・リスクの説明書 | 契約前に必ず読む | 理解不足による契約を防ぐ |
成長を狙う株式型と守りを重視する債券型:金融商品の選び方
株式型投資信託は企業の利益成長や経済成長の恩恵を受けることを目指す商品であり、長い運用期間では資産成長が期待される一方、短期間では大きく下落することがあります。
国内株式だけに投資する商品・米国株式を中心とする商品・全世界の株式へ投資する商品・新興国株式を含む商品などがあり、投資地域によって値動きの要因は異なります。
債券型投資信託は国や企業が発行する債券などに投資しますが、債券であっても投資信託である以上は元本保証ではありません。
金利上昇局面では債券価格が下がる傾向があり、海外債券を含む場合には為替変動も基準価額へ影響します。
- 預金は日常生活と緊急時の資金を担う
- 個人向け国債は安全資産の候補となる
- 投資信託は余裕資金の範囲で活用する
- 信託報酬と分配方針を契約前に確認する
- 資産全体で株式と安全資産の比率を決める
株式型と債券型のどちらか一方を選ぶより、投資可能額のうち株式にどこまで配分するかを考える方が実務的です。
たとえば、生活に必要な資金を安全資産で十分に確保したうえで、長期の余裕資金の一部を株式型へ配分する方法があります。
数年以内に介護費や住居費として使う予定がある資金は、株式型・債券型を問わず投資信託の比率を高めすぎない方が無難です。
投資信託を70歳以上で選ぶ際は期待利回りの数字だけに注目せず、基準価額が下がった時に売らずに保有できる割合を上限にしましょう。
| 分類 | 主な投資対象 | 値動きの傾向 | 検討に向く資金 |
|---|---|---|---|
| 株式型投資信託 | 国内外の企業株式 | 比較的大きい | 長期で使う予定のない余裕資金 |
| 債券型投資信託 | 国債・社債など | 株式型より小さい場合が多いが変動する | 価格変動を抑えたい運用部分 |
| バランス型投資信託 | 株式・債券などの複数資産 | 配分により異なる | 資産配分を一本で管理したい資金 |
| 預金・個人向け国債 | 円建ての安全資産 | 投資信託とは性質が異なる | 生活費・緊急資金・予定資金 |
70歳以上の投資信託の始め方|失敗を防ぐ5つのステップ


投資信託を70歳以上で始める場合は、銘柄探しから始めるのではなく、資金の役割と運用の目的を固めることが失敗防止につながります。
証券会社や銀行では高齢の投資家に対して、取引目的・投資経験・保有資産・家族の連絡先などを確認し、商品内容を説明する手続きを設けている場合があります。
これは年齢のみを理由に投資を制限する趣旨ではなく、適合性の確認と理解不足による契約を防ぐための対応です。
口座開設・商品選定・購入方法・保有後の見直しという各段階で確認すべき事項は異なります。
一度に大きな金額を入れることが不安なら購入時期を分ける方法もありますが、分割購入自体が利益や損失をなくすものではありません。






五つのステップを順に進め、契約内容を自分の言葉で説明できる状態になってから投資信託を購入しましょう。
ステップ1:資金の使い道と運用期間を決めて投資目的を明確にする
最初のステップは、保有する金融資産を生活費・緊急予備費・予定資金・長期の余裕資金に分けることです。
生活費は年金で不足する分も含め、原則として値動きのある投資信託とは別に管理します。
予定資金には、住宅修繕・車の買い替え・医療・介護・旅行・子や孫への支援など、時期と金額が見込める支出を含めます。
投資信託へ回すのはこれらを差し引いた後も当面使う予定がなく、評価額が下がっても暮らしに支障が出ない資金です。
保有資産は4つに分類する
生活費や予定資金を除外するべき
残った資金を投資に回す
崩す時期で許容リスクが決まる
額と時期と用途を明記する
運用期間は「何歳まで保有するか」だけでなく「いつから取り崩すか」で考えてください。
3年以内に取り崩す可能性が高い資金と10年以上使わない資金では、受け入れられる価格変動が異なります。
目的を紙に書く際は「老後のため」のような抽象的な表現ではなく、金額・用途・時期・許容損失まで記載すると判断基準になります。
投資目的が曖昧なまま始めると、相場が上がった時に買い増しし下がった時に売却する行動へつながりかねません。
| 確認する事項 | 記入例 | 判断に使う内容 |
|---|---|---|
| 資金の用途 | 介護予備費、相続資産、旅行資金 | 投資に回せるかを判定 |
| 使う時期 | 1年以内・5年後・10年以上先 | 価格変動を受け入れる期間を判定 |
| 必要金額 | 年間不足額と特別支出の合計 | 安全資産で確保する額を決定 |
| 許容損失 | 評価額が下がった場合の上限額 | 株式比率の上限を検討 |
ステップ2:口座を開く証券会社・銀行を比較して整理する
投資信託は証券会社・銀行・信用金庫などで購入できますが、取扱商品の数・手数料・相談体制・口座管理画面は異なります。
銀行は普段利用している窓口で相談できる利点がありますが、すべての低コスト投資信託を扱っているとは限りません。
証券会社は商品数が多い傾向にあり、インターネット取引では購入時手数料が無料の商品も多く見られます。
ただし、オンラインでの取引にはログイン情報や二段階認証の管理が必要であり、本人だけで継続管理できるかを確認しましょう。
- 金融機関ごとに取扱商品や手数料が異なる
- ネット証券は低コストで取扱商品が豊富だ
- 新NISA口座は1人1機関しか選べない
- 万一の緊急時に備え家族も口座を把握する
- 費用や商品内容と継続管理の容易さで選ぶ
対面相談を利用する場合も、相談料・販売手数料・提案される商品の信託報酬を比較することが必要です。
新NISAを利用するなら、NISA口座は原則として一人一金融機関でしか開設できないため、取扱商品やサービス内容を事前に確認しましょう。


高齢の方であれば、認知機能や入院などで本人による取引が難しくなった場合を想定し、家族が口座の存在を把握できるようにしておくことも重要です。
口座を選ぶ基準は、宣伝や知名度ではなく必要な商品を適切な費用で保有でき、資産状況を継続して確認できるかに置きましょう。
| 比較項目 | 証券会社 | 銀行などの対面窓口 | 確認ポイント |
|---|---|---|---|
| 取扱商品 | 多い傾向がある | 金融機関ごとに異なる | 希望する低コスト商品があるか |
| 購入時手数料 | 無料の商品が多い場合がある | 商品により設定がある | 同一商品で比較する |
| 相談体制 | 電話・チャット・店舗など | 窓口で相談できる | 提案と販売の利害関係を理解する |
| 管理方法 | ウェブ中心の場合が多い | 通帳・報告書も併用できる場合がある | 本人と家族が把握できる方法か |
ステップ3:投資信託の銘柄を選び信託報酬などの手数料を確認する
銘柄を選ぶ際は、最初に投資対象と資産配分を確認してその後で信託報酬などの費用を比べます。
同じ全世界株式型・国内債券型・バランス型という分類でも、対象指数・為替ヘッジ・株式比率・分配方針が異なるため名称だけでは判断できません。
購入時手数料が無料であっても、保有中にかかる信託報酬が高い商品では長期の資産額へ影響が出ます。
費用が低いという一点だけで決めず、自分の目的と投資対象を理解できるかも重視しなくてはいけません。
- 投資対象と配分を確認し費用を比較
- 指数や為替の違いを名称以外で判断
- 信託報酬が低いものを選び理解を深める
- 分配金の元本取り崩しに注意して選ぶ
- 目論見書で費用やリスクを確認しよう
毎月分配型投資信託は定期的に現金を受け取れる点が注目されますが、分配金の内訳を確認しないと元本の取り崩しを見落とす可能性があります。
分配金を受け取る必要がない時期には、分配を抑えてファンド内で運用を続ける商品と、必要な分だけ自分で売却する方法も比較対象になります。
交付目論見書では、投資リスク・費用・運用方針・分配方針・換金代金の受取時期などを確認しましょう。
説明資料を読んでも損失が出る理由や費用の内容を説明できない場合は、契約せずに質問を重ねることが適切です。
| 確認項目 | 見る内容 | 判断上の注意 |
|---|---|---|
| 投資対象 | 株式・債券・地域・通貨 | 保有資産全体との重複を確認 |
| 信託報酬 | 年率と実質的な費用 | 保有期間が長いほど影響する |
| 購入時手数料 | 購入額に対する料率 | 同種商品との比較が必要 |
| 分配方針 | 分配頻度と収益分配の考え方 | 元本払戻金の可能性を確認 |
| 換金条件 | 申込締切日と入金日 | 急な支出への対応力を確認 |
ステップ4:積立・一括・分割購入から無理のない方法を選ぶ
投資信託の購入方法には、一度に購入する一括投資・毎月など定期的に購入する積立投資・数回に分けて購入する分割購入があります。
一括投資は、投資すると決めた資金を早く市場へ置ける一方、購入直後に相場が下がった場合の評価損が大きく見える可能性があります。
積立投資は、一定額を定期購入することで購入価格が平均化される効果を期待できますが、下落相場で損失が出ない仕組みではありません。
70歳以上で退職後の資金を使う場合、毎月の年金収入から積立を続ける必要があるか、すでに保有する余裕資金を分けて入れるかを区別しなくてはいけません。
- 投資信託の買付方法は一括・積立・分割
- 一括は早く運用し積立は価格を平準化する
- 分割購入は買付時期の集中リスクを抑える
- 生活資金は投資へ回さず合計上限を決める
- 家計と心理面に合う最適な方法を選択するべき
分割購入は、購入時期をずらすことで一時点の価格に集中する影響を抑える方法ですが、相場が上昇し続けた場合には一括購入より利益が小さくなることもあります。
どの方法でも、生活資金まで投資へ回さないことと購入額の合計上限を先に決めることが重要です。
積立設定後は口座残高と引落日を確認し、予定外の引落しで生活口座が不足しないように管理します。
購入方法は相場予測のためではなく、家計と心理面に合う形を選ぶための手段として考えてください。
| 購入方法 | 特徴 | 利点 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 一括購入 | まとまった額を一度に購入 | 投資期間を早く確保できる | 直後の下落による影響が大きい |
| 積立購入 | 定額を定期的に購入 | 購入時期を分散できる | 元本割れを防ぐものではない |
| 分割購入 | 余裕資金を複数回に分ける | 一時点への集中を抑える | 購入計画と上限額が必要 |
ステップ5:毎月の値動きに振り回されず定期的に資産配分を見直す
投資信託を購入した後は、基準価額を毎日確認して売買を繰り返すより、あらかじめ決めた時期に資産配分と目的を点検する方が重要です。
半年に一度または年に一度、家計の収支・預金残高・投資信託の比率・今後の大口支出を見直します。
株式相場の上昇によって株式型投資信託の割合が当初の計画より増えた場合は、一部を売却して安全資産へ戻すリバランスを検討します。
相場下落だけを理由に慌てて全額売却すると、将来の回復局面に参加できない可能性があります。
- 投資目的と運用期間を契約前に決める
- 口座は商品・費用・管理方法で比較する
- 目論見書で投資対象と手数料を確認する
- 購入額と購入方法は家計に合わせて決める
- 保有後は定期点検で資産配分を整える
ただし、生活費が不足した・介護費用が必要になった・健康状態が変わったなど、資金の目的そのものが変化した場合は計画の見直しを優先してください。
保有商品の本数が増えすぎると資産配分や手数料の把握が難しくなるため、必要以上に似た投資信託を増やさないことも大切です。
運用報告書・取引残高報告書・ログイン情報の保管場所を整理し、ご家族が必要時に存在を把握できる状態を整えます。
定期点検は収益を追いかける作業ではなく、老後の生活設計に投資が合っているかを確かめる作業です。
| 見直す場面 | 確認する内容 | 主な対応 |
|---|---|---|
| 定期点検時 | 株式・債券・預金の比率 | 目標配分とのずれを確認 |
| 大きな支出が決まった時 | 必要金額と支払時期 | 安全資産を優先して確保 |
| 相場が急落した時 | 生活資金の確保状況 | 感情的な売却を避けて計画を再確認 |
| 健康・家族状況が変化した時 | 管理能力と資金需要 | 商品数やリスクを見直す |
70歳からの資産運用で新NISAをどう活用する?


新NISAは、投資信託や上場株式などから得られる売却益や分配金について一定の範囲で非課税となる制度です。
2024年から始まった新しい制度で、非課税保有期間が無期限となり制度の恒久化も行われました。
70歳以上であっても、成年であり国内に居住するなどの要件を満たせば新NISA口座を利用できます。
年齢が高いから利用できない制度ではありませんが、非課税という利点だけを理由に投資額を増やすのは適切ではありません。
新NISAは税金を抑えるための口座であり、投資信託そのものの価格変動や元本割れを防ぐ仕組みではないためです。
まずは生活費・緊急予備費・数年以内の支出予定資金を安全資産で確保し、その後に長期の余裕資金を新NISAで運用する順序を守りましょう。






70代からの新NISAは、制度の枠を埋めることではなく必要な資産配分を税制面から効率的に保有するために活用するべきです。
| 新NISAの主な項目 | 内容 | 70歳以上で確認する点 |
|---|---|---|
| 利用対象者 | 日本国内に住む成年者など | 年齢の上限は設けられていない |
| 非課税保有期間 | 無期限 | 相続・取り崩し計画と併せて考える |
| 年間投資枠 | つみたて投資枠と成長投資枠の合計で設定 | 枠を使い切る必要はない |
| 非課税保有限度額 | 生涯で上限が定められている | 生活資金を犠牲にしてまで使わない |
| 損失の扱い | 他口座の利益との損益通算は不可 | 値下がりリスクを別途管理する |
70代でも新NISAは利用できる?非課税で投資信託を保有するメリット
70代でも新NISAを利用でき、投資信託の売却益や普通分配金に通常かかる税負担を非課税にできる点が主なメリットです。
課税口座で投資信託を保有する場合、原則として利益や普通分配金には約20%の税金がかかります。
新NISA口座で保有した対象商品から得る利益が非課税となれば、同じ運用成果でも手元に残る額を増やせます。


非課税保有期間に期限がないため、短期で売買するより長期の余裕資金を保有する口座として利用する考え方と相性があります。
- 70代も新NISAで税を減らせる
- 非課税で手元に残る資金が増える
- 長期の口座だが取崩しも検討が必要
- 売却枠の再利用は翌年以降となる
- 明確な目的で商品を厳選するべき
ただし70代では、保有期間が無期限であることだけを重視せず、いつ取り崩すか誰が管理するか相続時にどう整理するかまで検討する必要があります。
新NISAで投資信託を売却した場合、その商品の簿価分の非課税保有限度額は翌年以降に再利用できますが、年間投資枠がその年に戻るわけではありません。
制度の細部は変更される可能性があるため、口座を開く金融機関や金融庁の公表資料で最新の条件を確認しましょう。
非課税の利点を得るためにも保有する商品を絞り、目的と資産配分が明確な投資信託を選ぶことが大切です。
| メリット・注意点 | 内容 | 判断のポイント |
|---|---|---|
| 売却益が非課税 | 対象商品の利益に税金がかからない | 利益が出る保証とは別の話 |
| 普通分配金が非課税 | 分配金に対する税負担を抑えられる | 元本払戻金とは区別して確認 |
| 非課税保有期間が無期限 | 期限を気にせず保有できる | 資金の使用予定を優先する |
| 損益通算ができない | 他口座の利益と相殺できない | 損失時の税制上の扱いを理解する |
| 口座は一人一つ | 同一年に複数金融機関で重複開設できない | 商品・管理体制を比較して選ぶ |
新NISAのつみたて投資枠と成長投資枠はどちらを優先すべきか
新NISAには、一定の要件を満たす投資信託を対象とするつみたて投資枠と、より幅広い商品を対象とする成長投資枠があります。
つみたて投資枠の年間投資枠は120万円・成長投資枠の年間投資枠は240万円であり併用も可能です。
70歳以上の方にとってどちらを優先すべきかは年齢ではなく、購入する商品・投資額・購入方法・資金の用途で決まります。
つみたて投資枠では、金融庁が定める要件を満たした長期・積立・分散投資向けの投資信託などが対象となります。
- 新NISAは2種類の投資枠を併用可能
- 枠の選択は年齢でなく目的や商品で決まる
- つみたて枠は低コスト投信の定期購入用
- 成長枠は対象が広いが高リスク化は避ける
- 枠の消化より自分に合う資産配分が重要
低コストのインデックス型投資信託を定期購入したい場合には「つみたて投資枠」が候補になります。
成長投資枠は対象商品が広く、つみたて投資枠の対象外となる投資信託を購入する場合に利用できます。
しかし、成長投資枠という名称は高いリスクを取ることを勧める意味ではなく、70代で株式比率を高める根拠にもなりません。
投資枠の年間上限を意識するより、必要な資産配分に沿って無理のない金額を投資し、余った枠をそのまま残す判断も重要です。
| 比較項目 | つみたて投資枠 | 成長投資枠 | 70代での考え方 |
|---|---|---|---|
| 年間投資枠 | 120万円 | 240万円 | 上限まで投資する必要はない |
| 対象商品 | 一定要件を満たす投資信託など | より幅広い投資信託・上場株式など | 理解できる商品だけを選ぶ |
| 購入方法 | 積立投資が中心 | 積立・一括の両方を検討可能 | 家計に合う方法を選ぶ |
| 利用目的 | 長期・分散投資の土台 | 商品選択の幅を広げる | 目的と資産配分を優先する |
新NISAでやってはいけない生活費まで投資に回す運用
新NISAの非課税枠があるからといって、生活費や医療・介護の備えまで投資信託へ回す運用は避けるべきです。
投資信託の基準価額は日々変動し、株式市場の急落・金利変動・為替変動・海外情勢の悪化などで評価額が下がることがあります。
生活費が不足した時に価格下落が重なると、損失が出ている投資信託を売却して現金を作る必要が生じます。
この状況は資産寿命を縮める要因となるため、日常生活に必要なお金は預金などの安全資産で別に確保しておきましょう。
- 70代でも新NISAは利用できる
- 非課税でも投資信託の元本は保証されない
- つみたて投資枠と成長投資枠は目的で選ぶ
- 非課税枠を使い切る必要はない
- 生活費と緊急資金は新NISAから分ける
毎月分配金を受け取る商品を新NISAで買えば年金不足を解決できると考えるのも危険です。
分配金には運用益から支払われる普通分配金だけでなく、元本の一部払戻しに近い特別分配金が含まれる場合があります。
受取額の大きさだけでは資産が増えているか判断できないため、基準価額・元本・分配金の内訳を併せて確認する必要があります。
新NISAは生活資金の置き場所ではなく、老後資金のうち長期の余裕資金を非課税で運用するための制度として位置付けましょう。
| 避けたい行動 | 起こり得る問題 | 代わりに行うこと |
|---|---|---|
| 生活費を新NISAへ入れる | 下落時に損失売却となる可能性 | 生活費は預金で別管理する |
| 枠を埋めるために借入れを行う | 利息負担と価格変動を抱える | 余裕資金の範囲に限定する |
| 分配金だけで商品を選ぶ | 元本払戻金を見落とす可能性 | 分配方針と基準価額を確認する |
| 損失時に全額売却する | 回復の機会を失う場合がある | 資金目的と安全資産の残高を確認する |
| 制度だけで商品を決める | 目的に合わないリスクを抱える | 資産配分から商品を選ぶ |
老後の資産を長持ちさせる取り崩し方法|定額・定率・分割の考え方


70歳以上で投資信託を保有する場合、購入時の商品選びと同じくらい重要なのが、老後資金をどのような順序と金額で取り崩すかという計画です。
年金だけで生活費を賄えない場合、預貯金や投資信託から取り出す資金が毎月の家計を支えることになります。
取り崩し方法には、毎月同額を売却する定額取り崩し・資産残高の一定割合を売却する定率取り崩し・必要な時だけ売却する分割型の考え方があります。
どの方法にも長所と注意点があり、年金収入・支出の変動・保有資産の内訳・相場環境によって適した方法は変わります。
相場が下落している時期に生活費のために投資信託を多く売却すると、回復前に口数を減らすことになり資産寿命へ影響する可能性があります。
取り崩し計画では運用利回りを過大に見積もらず、物価上昇・税金・医療・介護費・家電や住居の更新費まで含めて検討しなくてはいけません。






ここからは、定額と定率の違い・資産寿命の試算・相場下落への備えを整理し・70歳からの資産運用を生活設計について解説していきます。
定額取り崩しと定率取り崩しの違い:年金を補う毎月の収入設計
定額取り崩しは、毎月または毎年に決めた一定額を投資信託や預貯金から取り出す方法です。
年金に加えて毎月5万円など、家計に必要な金額を補う目的では受取額を予定できる点が特徴です。


※AI(Gemini)によって生成されたイメージ図
ただし、資産残高が減少している局面でも同額を取り崩すため、相場下落と重なると資産減少が大きくなる可能性があります。
定率取り崩しは、年初または毎月の資産残高に対して年3%や年4%といった一定割合を売却する方法です。
- 定額は毎月固定で受け取れる
- だが下落期は資産の減りが早い
- 定率は残高割合で売るため長持ち
- ただし相場悪化で受取額が減る
- 用途別に取り崩し方を分けよう
資産が減った時は取り崩す額も減るため、資産が急速に枯渇するリスクを抑える効果が期待できます。
その一方で、相場が悪い時には受取額も減り毎月の生活費を一定額必要とする家計では不足分への備えが必要です。


年金で基本生活費を賄い定額の不足分は安全資産から出し、投資信託は定期的なリバランス時や余裕支出に活用する方法も考えられます。
一つの方法に固定せず、必要最低限の生活費と旅行・趣味などの変動支出を分けて取り崩し方法を決めることが重要です。
| 取り崩し方法 | 仕組み | 主な利点 | 主な注意点 |
|---|---|---|---|
| 定額取り崩し | 決めた金額を定期的に売却 | 毎月の受取額を計画できる | 下落相場でも売却額が変わらない |
| 定率取り崩し | 資産残高の一定割合を売却 | 資産残高に応じて売却額を調整できる | 受取額が毎年変動する |
| 必要時の分割売却 | 支出発生時に必要額を売却 | 不要な売却を避けられる | 資金管理と売却判断が必要 |
| 安全資産からの補填 | 預金・国債を生活費に充てる | 下落時の投信売却を抑えられる | 安全資産の残高管理が必要 |
資産寿命をシミュレーションする際に必要な生活費・収入・運用利回り
資産寿命を試算する際は現在の金融資産額だけでなく、年間生活費・年金などの定期収入・将来の特別支出・想定運用利回りを入力します。
まず年間支出から年金などの年間収入を差し引き、毎年いくら資産から補う必要があるかを計算してください。
たとえば年間支出が360万円で年金などの手取り収入が300万円なら、年間60万円の不足額が資産の取り崩し対象となります。
住宅修繕・車の買い替え・医療介護・家族への援助などの一時的な支出を追加して複数のケースで試算します。
- 資産寿命は支出と収入の差額から計算する
- 特別支出や運用損失リスクも想定しておく
- 過去の好成績を前提にせず厳しく確認する
- 物価上昇による実質的な影響にも注意する
- 試算は不足期を早期に把握し見直す手段
想定利回りは高く設定しすぎず、運用益がない場合や低い場合や一定の損失が出た場合も確認することが大切です。
投資信託の将来の利回りは保証されないため、過去の好成績をそのまま将来の前提にすることはできません。
物価が上がれば生活費の額も増えるため、名目上は資産が残っていても実質的な購買力が下がる点にも注意しましょう。
シミュレーションは正確な未来を当てるためではなく、資産が不足しそうな時期を早期に把握し支出や資産配分を見直すために行うものです。
| 試算に必要な項目 | 内容 | 確認方法 |
|---|---|---|
| 金融資産額 | 預金、国債、投資信託などの合計 | 口座残高を一覧にする |
| 年間生活費 | 日常生活に必要な支出 | 通帳・家計簿から集計する |
| 年間収入 | 年金、就労収入、その他収入 | 税・社会保険料控除後で把握する |
| 特別支出 | 修繕、医療、介護、冠婚葬祭など | 時期と金額を複数想定する |
| 想定利回り・物価上昇率 | 運用と生活費増加の前提 | 楽観・標準・慎重の複数条件で試す |
相場下落時に売却を急がないための現金と安全資産の備え
投資信託の取り崩しで最も避けたい状況の一つは、株式市場が大きく下落している時に生活費のために多額の売却を迫られることです。
下落時の売却は保有口数を大きく減らし、その後に市場が回復しても資産額が戻りにくくなる要因となります。
この事態を避けるため、年金だけで不足する生活費の複数年分や近く予定している大口支出は、預金や個人向け国債などで確保する考え方があります。
必要な安全資産の金額は、毎月の赤字額・住宅や家族状況・介護への備え・他の収入の有無によって異なります。
- 定額取り崩しは受取額を計画できる
- 定率取り崩しは資産残高に応じて変動する
- 資産寿命は収入・支出・特別支出で試算する
- 利回りは慎重な前提で考える
- 生活費の複数年分は安全資産で備える
安全資産を多く持つと投資信託による資産成長の余地は小さくなりますが、相場下落時の売却を抑えて安心して暮らすための役割があります。
投資信託を売却する際も全商品を同時に売るのではなく、資産配分が増えた資産から調整する方法や、税制を踏まえて口座別に検討する方法があります。
新NISA口座の損失は課税口座の利益と相殺できないため、売却前に口座区分と取得額を確認しなくてはいけません。
現金と安全資産は運用効率が低い資金ではなく、老後の生活を守り投資信託を不利な時期に売らないための重要な備えです。
| 備える資金 | 主な用途 | 候補となる資産 | 目的 |
|---|---|---|---|
| 日常生活資金 | 毎月の不足額の補填 | 普通預金 | 直近の支払いに対応する |
| 数年分の予備資金 | 年金不足・相場下落時の生活費 | 定期預金・個人向け国債など | 投資信託の売却を急がない |
| 特別支出資金 | 修繕・医療・介護など | 預金を中心に管理 | 用途と時期に備える |
| 長期余裕資金 | 物価上昇への備え・相続資産 | 分散投資信託など | 長期の成長を目指す |
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投資信託を70歳以上で始める場合の注意点まとめ
- 生活費と緊急資金を先に安全資産で確保する
- 投資信託は長期で使わない余裕資金に限定する
- 手数料・資産配分・分配方針を目論見書で確認する
- 新NISAは非課税制度であり損失を防ぐ制度ではない
- 取り崩し計画と定期点検で老後資金を管理する
投資信託を70歳以上で始めることは可能であり、新NISAも年齢を理由に利用できなくなる制度ではありません。
しかし70代の資産運用では、資産額を大きく増やすことより年金生活を安定させ必要な資金を必要な時期に確保することを優先すべきです。
生活費・医療や介護の予備費・近い将来の大口支出は預金や個人向け国債などの安全資産で管理し、残った余裕資金だけを投資信託へ回しましょう。






低コストで複数資産へ分散するバランス型投資信託は選択肢になりますが、すでに保有する預金や国債を含めた金融資産全体で配分を判断する必要があります。
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