「投資信託がマイナスになったら口座に追加でお金を入れなければならないのではないか」「借金を背負うのではないか」と不安を感じている方もいるのではないでしょうか。
結論からいうと、現金で購入した通常の投資信託は基準価額が下落して元本割れしても原則として投資額を超える借金にはなりません。
ただし投資信託そのものの値下がりと、信用取引・FX・先物取引などで生じうる追加証拠金や不足金は仕組みがまったく異なります。
この違いを理解しないまま「マイナス」という言葉だけを見ると、保有資産の評価損と口座で支払うべき負債を同じものとして捉えてしまいます。
このページでは、投資信託がマイナス表示になる意味と元本割れでも借金にならない理由を、制度と取引の仕組みから詳しく解説します。
投資信託のリスクを過小評価せず、それでも借金への不安を正しい知識で整理したい方は最後まで確認してください。
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投資信託がマイナスでも原則として借金にならない仕組みを解説

投資信託の「マイナス」は多くの場合、購入時点から比べて保有資産の評価額が下がっている状態、すなわち評価損または元本割れを意味します。
たとえば100万円を投資して評価額が80万円になった場合、画面上ではマイナス20万円と表示されますが、投資家が金融機関に20万円を支払う義務を負うわけではありません。
通常の公募投資信託を現金で購入する取引では、投資家が拠出した資金をファンドが株式・債券・REITなどに投資し、その保有資産の時価が基準価額へ反映されます。
相場下落によって基準価額が下がれば換金時に受け取れる金額は減少しますが、損失は原則として投資した元本の範囲に限定されます。
これは投資信託の受益者が保有するのはファンドの受益権であり、価格下落分を追加で補填する契約ではないためです。
借入金を使って投資信託を購入した場合や信用取引口座で取引した場合、分配金再投資時の設定や口座残高に問題がある場合などは、投資信託の価格変動とは別に支払義務が生じる可能性があります。
ざくざく



したがって「投資信託なら絶対に損をしない」という意味ではなく「通常の現金購入なら値下がりだけを理由として投資額を超える負債には至らない」という理解が正確です。
元本割れとは?基準価額の下落による損失は投資したお金の範囲にとどまる
元本割れとは、金融商品を売却または評価した時点の金額が購入に充てた元本を下回っている状態です。
投資信託では、ファンドの資産から費用や負債を控除した純資産総額を受益権口数で割って算出する基準価額が日々変動します。
購入後に株式市場が下落したり、組み入れ債券の価格が下がったり、為替が円高へ動いたりすると、基準価額が下落し投資元本を割り込むことがあります。
たとえば基準価額1万円のときに10万口を購入し、その後の基準価額が8,000円になれば概算評価額は10万円から8万円へ減少します。
- 元本割れは購入額より評価額が下がった状態
- 基準価額は組入資産の価格変動を反映する
- 含み損は保有中の評価上の損失
- 現金購入なら下落分の追加請求は原則ない
- 借金にならなくても資産減少には備える
このときのマイナス2万円は売却した場合に確定する可能性がある損失であり、保有中は一般に含み損と呼ばれます。
基準価額は理論上ゼロに近づくことはあっても、通常の追加購入や借入を伴わない投資信託の受益者に、基準価額の下落額を超える請求が行われる仕組みではありません。


※AI(Gemini)によって生成されたイメージ図
ただし元本割れの程度は小さいとは限らず、株式比率が高い投資信託や特定地域・特定業種に集中する投資信託では、大きな評価損が発生する局面もあります。
借金にはならない点と資産が減るリスクがある点は両立するため、生活に必要なお金を投資へ回さず、許容できる損失額を事前に考える必要があります。
| 用語 | 意味 | 100万円投資した例 | 投資家の支払義務 |
|---|---|---|---|
| 元本 | 購入に充てた資金 | 100万円 | 購入代金として支払い済み |
| 評価額 | 保有口数を現在の基準価額で評価した金額 | 80万円 | 追加支払いは原則不要 |
| 含み損 | 売却前の評価上の損失 | マイナス20万円 | 借金ではない |
| 確定損 | 売却により確定した損失 | 20万円の損失 | 受取額は80万円 |
投資信託に元本保証はないが保有口数の価額がゼロ未満にはならない理由
投資信託には、預金のような元本保証や一定利息の支払い保証はありません。
購入時に支払った金額を将来必ず受け取れるわけではなく、運用成果によっては受取額が元本を下回るという意味です。
一方で通常の投資信託の受益権は、ファンドが保有する資産への持分を表すため、受益者が負の価値を負担する設計とは基本的に異なります。
ファンド内部では、市場急変・債券の信用不安・デリバティブ取引に伴う損失などが基準価額へ影響する可能性がありますが、一般的な公募投資信託では受益者が出資額を超えてファンド債務を負担する有限責任的な構造が採られています。
- 元本保証がないことと借金になることは別問題
- 投資信託は保有資産の持分として評価される
- 価格は大幅に下がる可能性がある
- 通常の受益者へ追加出資は求められない
- 商品ごとの目論見書を確認する
仮に組入資産の価値が大幅に下落すれば、基準価額は極めて低い水準になることがあり、投資元本の大半を失う可能性も否定できません。
しかし、通常は基準価額がマイナスへ進んで受益者の保有残高が負債表示になるのではなく、純資産価額の減少として処理されます。
ファンドの運営が継続困難になって繰上償還となる場合でも、残存資産を換価して受益者へ分配する手続きが基本であり、通常の保有者へ追加出資を求めるものではありません。
投資信託の名称だけで安全性を判断せず、レバレッジ型・通貨選択型・仕組債を組み入れる商品・私募商品などについては、目論見書で損失構造と取引条件を必ず読むことが重要です。
| 項目 | 通常の公募投資信託 | 預金 | 信用取引 |
|---|---|---|---|
| 元本保証 | ない | 原則ある | ない |
| 価格の変動 | 基準価額が変動する | 通常は額面で管理される | 株価変動の影響を受ける |
| 投資額超の損失 | 現金購入では原則発生しない | 通常発生しない | 発生する可能性がある |
| 主な注意点 | 元本割れ・コスト・投資対象 | 預金保険の範囲 | 追証・反対売買・不足金 |
投資信託のマイナスと負債・借金の違い
投資信託のマイナスと借金の違いは「資産価値が減っただけなのか」「相手へお金を返す義務が生じたのか」という点にあります。
投資信託を100万円分購入し評価額が70万円になった場合、保有資産は70万円であり30万円の評価損が発生している状態です。
この場合、口座にマイナス30万円の現金残高が発生するわけではなく、売却して70万円を受け取るか保有を続けて今後の価格変動を受けることになります。
これに対し借金は、金融機関・証券会社・カード会社・個人などから資金や信用を受け、返済期日や返済義務を伴う債務です。
- 評価損は資産価値の減少を示す
- 借金は返済義務を伴う債務である
- 損益欄のマイナスだけでは借金といえない
- 口座内のサービス別残高を区別する
- 不明な表示は証券会社へ確認する
信用取引で株式を買った場合の買付代金やFX取引で生じた不足金、投資目的で利用したローンの返済残高は、価格変動とは別に債務として管理されます。
投資信託の口座画面で「損益マイナス」と表示されていても、それだけでは借入残高や未払金を意味しません。
不安な場合は保有商品の損益欄と、買付余力・預り金・信用建玉・未決済注文・不足金などの欄を区別して確認しましょう。
投資信託・現物株・NISA・信用取引・先物・オプションなどを同じログイン画面から利用できるため、利用中のサービスを正確に把握することが欠かせません。
| 比較項目 | 投資信託の評価損 | 借金・不足金 |
|---|---|---|
| 発生の原因 | 基準価額の下落 | 借入・証拠金不足・決済代金未払い |
| 例 | 100万円が70万円へ下落 | 信用取引の損失で入金義務が生じる |
| 追加の支払い | 現金購入なら原則不要 | 契約に基づき必要になる |
| 確認する画面 | 保有残高・評価損益 | 預り金・不足金・信用建玉 |
投資信託が借金になることがある例外的なケースとは
通常の投資信託を自己資金で買い付けるだけなら、値下がりによって借金となることは原則ありません。
ただし、投資信託への投資に借入などを組み合わせた場合には、投資信託の値下がりとは別の理由で債務を負う可能性があります。
代表例は、銀行のカードローン・目的別ローン・証券担保ローンなどで資金を借り、その資金で投資信託を購入するケースです。
投資信託の評価額が下がろうが上がろうが借りた元金と利息の返済義務は残るため、売却代金だけで返済できなければ不足分は借金として残ります。
- 現金購入の投資信託は原則として借金にならない
- 借入金で投資すると返済義務が残る
- 信用取引やFXは損失拡大の仕組みが異なる
- 買付代金の不足は入金義務につながる
- 商品名ではなく取引条件を確認する
証券会社の信用取引では、現物株だけでなくETFやREITなどを対象に取引する場面があり、保証金を超える損失や追加証拠金が発生することがあります。
投資信託に似た名称の商品でも、CFD・先物・オプション・FXなどは取引条件が異なり、損失が預けた証拠金を上回るリスクを確認しなければなりません。
投資信託の買付注文後に口座の預り金が不足し、決済日までに入金できない場合には不足金として入金を求められることがあります。
投資信託が借金になるのではなく、資金調達方法や決済不履行や別サービスのレバレッジ取引によって支払義務が生じる点を理解することが重要です。
| ケース | 借金・支払義務の可能性 | 主な理由 | 確認点 |
|---|---|---|---|
| 現金で投資信託を購入 | 原則ない | 損失は投資元本の範囲 | 通常の保有残高か |
| ローンで投資信託を購入 | ある | ローン元金と利息の返済が残る | 借入額・返済条件 |
| 信用取引・先物・FX | ある | 証拠金超過損失や不足金 | 建玉・維持率・ロスカット条件 |
| 買付代金の未決済 | ある | 口座残高不足による不足金 | 約定日・受渡日・預り金 |
追加証拠金が発生する信用取引と投資信託の決定的な違い


投資信託がマイナスでも借金にならない理由を理解するには、信用取引における追加証拠金いわゆる追証の仕組みと比較する方法が有効です。
信用取引は、投資家が証券会社へ委託保証金を差し入れ、証券会社から資金または株式を借りて、保証金を上回る規模の取引を行う制度です。
自己資金だけで株式や投資信託を購入する現物取引とは異なり、借りた資金や株式を返済する義務があるため、相場変動によって保証金が不足すれば追加の入金が必要になります。
この追加入金が追加証拠金であり、定められた期限までに解消しなければ証券会社によって建玉が反対売買される場合があります。
急激な価格変動で反対売買が間に合わず、決済後にも損失が残れば投資家は不足金を支払わなければなりません。
一方で一般的な投資信託を現金で購入する場合は、購入時に支払った金額の範囲で受益権を保有するだけであり、証券会社から買付資金を借りる仕組みではありません。
そのため、基準価額が下がっても維持率の計算や追証の判定は通常行われず、値下がりだけを根拠に追加入金を求められることは原則ありません。






同じ証券口座内で信用取引や先物取引を利用している場合は、投資信託の損益とは別に口座全体の資金状況を確認し取引区分を混同しないことが重要です。
株の信用取引ではなぜ追加証拠金が必要になる?担保とレバレッジの仕組み
株式の信用取引では、投資家が証券会社へ現金や代用有価証券を委託保証金として預け、その担保を基に買付資金を借りたり売付株式を借りる形で取引します。
この仕組みにより保有する保証金より大きい金額の取引が可能になりますが、その分だけ価格変動による損益も大きくなります。
信用買いでは、買い付けた株価が下落すると建玉の評価損が増え保証金として認められる余力が減少します。
信用売りでは、売った株価が上昇すると損失が拡大し同じく保証金維持率が低下します。
- 信用取引は保証金を担保として利用する
- レバレッジは利益と損失の両方を拡大する
- 評価損が増えると保証金維持率が下がる
- 所定水準を下回ると追証が発生する
- 追証の条件は利用する証券会社で確認する
証券会社は未回収リスクを抑えるため、保証金維持率が所定の水準を下回った場合は投資家へ追加証拠金の差し入れを求めます。
追証の発生基準・入金期限・代用有価証券の掛目・強制決済の条件は証券会社や取引所の規則により異なるため、口座開設時の契約内容を確認する必要があります。
相場が大きく動く局面では、追証の通知を確認してから対応する時間が限られることもあり、保有資産を売却しても必要額を確保できない可能性があります。
投資信託の基準価額が下落する場合と異なり、信用取引では担保価値の低下が追加の現金負担へ直結しうる点が借金リスクを考えるうえでの重要な差です。
| 項目 | 信用取引 | 現物株取引 | 投資信託の現金購入 |
|---|---|---|---|
| 資金の性質 | 保証金を基に資金・株式を借りる | 自己資金で買う | 自己資金で受益権を買う |
| 取引規模 | 保証金より大きくなる | 買付余力の範囲 | 購入代金の範囲 |
| 維持率管理 | 必要 | 通常不要 | 通常不要 |
| 追加証拠金 | 発生する可能性がある | 通常ない | 通常ない |
株価が急落したら借金になる可能性がある信用取引と現物投資の比較
株価が急落した場合でも、現物取引で保有している株式や現金で購入した投資信託であれば、原則として値下がりによる損失は購入額までです。
100万円で購入した現物株が大幅に下落して評価額20万円になったとしても、失う可能性があるのは投資した100万円のうちの価値であり、株価がマイナスになって追加請求が生じるわけではありません。


信用買いでは保証金を基に借りた資金で株式を購入するため、株価下落後の売却代金が借入相当額や諸費用を下回ると不足分の支払いが問題になります。
信用売りでは株価の上昇に理論上の上限がないため、損失が大きく拡大する可能性を考慮しなければなりません。
- 現物投資は価格下落で評価額が減少する
- 信用取引は損失と追証が連動する
- 急変時は想定価格で決済できない場合がある
- 信用売りは株価上昇による損失に注意する
- 借金回避を優先するなら現物取引を選ぶ
相場急変時には、逆指値注文やロスカットに相当する仕組みを用いていても、価格が飛んで想定した水準で約定しないギャップリスクがあります。
現物投資にも、元本割れ・倒産・上場廃止・流動性低下・投資信託の繰上償還などのリスクはありますが、通常の現金取引では証拠金不足を補うための追加入金とは区別されます。
借金を避けることを優先する初心者は、まず現物取引と投資信託の積立投資を中心に考え、信用取引の口座開設やレバレッジ商品の利用は仕組みを十分に理解してから判断することが重要です。
投資資金が生活防衛資金や返済予定のある資金に由来する場合は、相場急落時の資金繰りまで想定し借入を使った投資を避ける姿勢が求められます。
| 急落時の例 | 現物株・現金購入の投信 | 信用買い | 信用売り |
|---|---|---|---|
| 価格変動 | 保有資産の評価額が下がる | 評価損と維持率低下が起きる | 株価上昇で損失が拡大する |
| 追加資金 | 原則不要 | 追証が必要になる場合がある | 追証が必要になる場合がある |
| 決済後の不足金 | 通常ない | 生じる可能性がある | 生じる可能性がある |
| 損失管理 | 投資額の範囲を確認する | 保証金・建玉・期限を確認する | 上昇リスクを厳格に管理する |
投資信託・株式・信用取引の損失範囲とリスクを比較
投資信託・現物株・信用取引はいずれも市場価格の変動によって損失が生じますが、損失範囲と資金管理の方法には明確な違いがあります。
投資信託は、複数の株式や債券などへ分散投資する商品が多く、一本の銘柄へ投資する現物株と比べて個別企業の倒産リスクを分散できる場合があります。
しかし、分散されていても株式市場全体の下落・金利上昇・為替変動・投資対象国の政治経済情勢によって基準価額が下がり元本割れする可能性はあります。
現物株は、保有企業の業績・配当・株主還元・業界動向の影響を直接受け、銘柄選択によって結果が大きく異なります。
- 投資信託と現物株は元本割れの可能性がある
- 現金購入なら投資額超の損失は原則ない
- 信用取引は不足金が生じる可能性がある
- レバレッジ型投信は値動きが大きい
- 商品と購入方法を分けてリスクを判断する
信用取引は、現物取引と同じ株式を対象にしていても借入と保証金という構造が加わることで、損失が自己資金を超え不足金や借金へつながる可能性があります。
投資信託にも先物やオプションを活用して日々の値動きの倍程度を目指すレバレッジ型商品が存在し、現金購入であれば原則として追証はありませんが、基準価額の変動率は大きくなります。
「投資信託だから低リスク」「株式だから危険」と単純化せず、投資対象・地域・資産配分・レバレッジの有無・購入方法・保有期間をまとめて確認することが必要です。
投資信託で借金を避けたい場合は、現金買付であることを確認したうえで自身が許容できる下落幅を超えない資産配分と積立額を設定しましょう。
| 比較項目 | 投資信託の現金購入 | 現物株取引 | 株式の信用取引 |
|---|---|---|---|
| 主な投資対象 | 株式・債券・REITなどの集合資産 | 個別企業の株式 | 個別企業の株式 |
| 元本割れ | ある | ある | ある |
| 投資額超の損失 | 原則ない | 原則ない | ある |
| 追加証拠金 | 通常ない | 通常ない | ある |
| 主な確認事項 | 目論見書・資産配分・信託報酬 | 企業分析・分散・売買価格 | 維持率・建玉・期限・不足金 |
新NISAでマイナスになってる場合も借金にはならない


新NISAで保有している投資信託の評価損益がマイナスになっていても、通常は借金や追加証拠金を意味しません。
新NISAは、一定の投資から得られる配当や分配金や売却益を非課税で扱うための制度であり、投資信託そのものの価格変動リスクをなくす制度ではありません。
新NISA口座で投資信託を購入した後に基準価額が下がれば、課税口座と同じように評価額は減少し元本割れとなる場合があります。
ただし新NISA口座で買い付ける上場株式や投資信託は、口座内の買付余力の範囲で現金購入するため、基準価額の下落を理由とする追証は発生しません。
新NISAにはつみたて投資枠と成長投資枠があり、対象商品・年間投資枠・保有限度額などの制度上の違いがありますが、元本保証が付くわけではない点は共通です。
新NISAでは、損失が出ても課税口座で生じた利益と損益通算できず損失の繰越控除も利用できません。
新NISA口座のマイナスを見て慌てて売却するのではなく、投資目的・必要資金の時期・保有商品の内容・今後も保有する合理性を確認したうえで判断することが大切です。






制度の非課税メリットと価格下落リスクは別の論点であるため、新NISAだから安全または新NISAで損失が出たら借金になるという誤解を避けましょう。
新NISA制度の対象となる投資信託と非課税制度が損失へ与える影響
2024年から始まった新NISAは、長期的な資産形成を後押しするため一定の上場株式や投資信託から得られる利益を非課税とする制度です。
つみたて投資枠の対象には、金融庁が定める基準を満たした長期・積立・分散投資向けの投資信託などが含まれます。
成長投資枠では、上場株式・ETF・REIT・一定の投資信託などを購入できますが、整理・監理銘柄や信託期間が短い一部の商品などは対象外です。
対象商品であっても、株式・債券・海外資産・為替・金利などの市場環境により基準価額が変動するため購入元本を下回ることはあります。
- 新NISAは投資利益を非課税にする制度
- 対象投資信託にも元本割れの可能性がある
- 非課税制度は損失を補償しない
- 新NISAの損失は損益通算できない
- 制度と商品のリスクを分けて理解する
新NISAの非課税効果は、利益が出た場合に通常約20.315%課税される売却益や普通分配金への税負担を抑えられる点にあります。


反対に損失が出た場合には、その損失を課税口座の株式や投資信託の利益と相殺できないため、税務上は損失を活用できません。
つまり新NISAは利益に対して有利な制度ですが、損失そのものを補償したり損失を減らす保険として機能したりする制度ではありません。
投資信託がマイナスでも借金にはなりませんが、非課税枠を使用して購入した商品を売却した場合の枠の扱いも含め、制度を理解してから取引することが重要です。
| 項目 | 新NISA口座 | 課税口座 |
|---|---|---|
| 売却益・普通分配金 | 非課税 | 原則として約20.315%課税 |
| 投資信託の元本保証 | ない | ない |
| 元本割れ時の追加請求 | 現金購入なら原則ない | 現金購入なら原則ない |
| 損益通算 | できない | 一定の条件でできる |
| 損失の繰越控除 | できない | 要件を満たせば可能 |
新NISAで積み立てている銘柄がマイナスになったらどうなる?
新NISA口座で積み立てている投資信託がマイナスになった場合、保有口数はそのまま残り基準価額の変動に応じて評価額が日々変わります。
たとえば毎月3万円を積み立てて累計購入額が60万円・評価額が54万円なら評価損益はマイナス6万円です。
この表示は、現時点で全口数を売却したと仮定した場合に購入額より6万円少ない金額になるという意味であり、6万円を追加で入金する指示ではありません。
積立投資では、基準価額が高い月には少ない口数を購入し基準価額が低い月には同じ金額で多くの口数を購入する仕組みになります。
- 新NISA口座の評価損は追加請求を意味しない
- 保有口数は売却するまで残る
- 積立は価格に応じて購入口数が変わる
- 長期のマイナスも起こりうる
- 目的と家計の状況を基に判断する
この購入方法は価格変動の影響を平準化する考え方の一つですが、将来の利益や損失を保証するものではなく、相場環境によっては長期間マイナスが続くこともあります。
マイナスになった際に確認すべきなのは、投資信託の投資対象や運用方針が当初の目的と一致しているか、積立金額が家計に負担をかけていないか、資金を使う時期が近づいていないかという点です。
短期的な下落だけを理由に積立を止めると、安値圏で購入する機会を失う場合がありますが、商品選択や資産配分に問題があれば機械的な継続が適切とは限りません。
新NISA口座のマイナスは借金ではないことを前提に、値動きに耐えられる金額と保有期間かを点検して、継続・減額・停止・売却を判断するようにしましょう。
| 積立状況の例 | 金額 | 意味 | 追加支払い |
|---|---|---|---|
| 累計買付額 | 60万円 | これまで積み立てた元本 | すでに支払い済み |
| 現在の評価額 | 54万円 | 現在の基準価額による保有価値 | 不要 |
| 評価損益 | マイナス6万円 | 元本割れの状態 | 不要 |
| 売却した場合 | 概算54万円 | 損失が確定する可能性 | 不要 |
新NISA口座では損益通算ができない点と売却時に知っておくべきこと
新NISA口座で投資信託を売却して損失が確定しても、その損失を特定口座や一般口座で得た上場株式等の利益と損益通算することはできません。
課税口座では、一定の条件のもとで上場株式等の譲渡損失と譲渡益と配当等を相殺し、控除し切れない損失を確定申告により繰り越せる場合があります。
新NISA口座は、利益を非課税にする代わりに損失が税務計算の対象外となる制度です。
そのため新NISA口座でマイナスになっている投資信託を売却しても、他の課税口座で発生した利益への税金を減らす効果は期待できません。
- 新NISAの損失は課税口座の利益と相殺できない
- 新NISAの損失は繰越控除の対象外となる
- 売却しても年間投資枠は同年中に復活しない
- 翌年以降は取得額分の枠を再利用できる
- 税制だけでなく投資目的を優先して決める
新NISAでは商品を売却すると、売却した商品の取得金額分の非課税保有限度額が翌年以降に再利用可能となりますが、その年の年間投資枠が直ちに復活するわけではありません。(2026年時点)
売却時には、価格が回復する見込みだけでなく今後の投資目的、投資対象の魅力・資産配分の偏り・資金を必要とする時期・非課税枠の利用計画を併せて検討する必要があります。
分配金を受け取る投資信託では、普通分配金と元本払戻金で税務上・経済上の意味が異なるため、分配金の金額だけで運用成果を判断しないことも大切です。
新NISA口座での損失は借金ではありませんが、売却の判断には税制上の制約も関係するため、口座種別と取得金額を確認したうえで決めましょう。
| 比較項目 | NISA口座 | 課税口座 |
|---|---|---|
| 利益への課税 | 非課税 | 原則として約20.315% |
| 損失と利益の相殺 | できない | 一定の範囲でできる |
| 損失の繰越 | できない | 要件を満たせば可能 |
| 売却後の枠 | 取得額分を翌年以降に再利用可能 | 非課税枠の概念はない |
| 売却判断の視点 | 目的・枠・資産配分を確認する | 目的・税金・資産配分を確認する |
投資信託がマイナスになる確率は?データから見る値動きと元本割れリスク


投資信託がマイナスすなわち含み損を抱える確率を一つの数字で答えることはできません。
なぜなら、投資信託ごとに投資対象・地域・株式と、債券の比率・為替ヘッジの有無・信託報酬・購入した時期・保有期間が異なるためです。
世界株式へ幅広く投資する投資信託・特定国の小型株へ集中する投資信託・国内債券中心の投資信託・レバレッジ型投資信託では、同じ期間でも元本割れの起こり方が大きく異なります。
一般的には、保有期間が短いほど購入直後の相場環境に左右され評価損となる可能性を排除できません。
保有期間を長く取ることで、複数の景気循環や価格変動を経験し短期の値動きの影響を相対的に抑えられる場合がありますが、将来のプラスを保証するものではありません。
過去の市場データは、長期・分散・積立の考え方を検討する材料になりますが、過去の実績が将来の成果を示すものではない点に注意が必要です。
期待リターンが高い資産ほど価格の変動幅も大きくなる傾向があり、一時的に大きなマイナスとなる局面を許容できるかが重要になります。






投資信託で借金をしないことと元本割れを防げることは別であるため、確率の数字だけに頼らず自分の資金計画に合ったリスク水準を選ぶことが大切です。
短期の値下がりと長期運用の違い:投資期間がマイナスになる確率に与える影響
投資信託の元本割れリスクを考える際は、どの商品を選ぶかだけでなくいつまで保有する予定かという投資期間が大きな要素になります。
保有期間が数か月から数年程度の場合、景気後退・金融政策の変更・地政学的リスク・企業業績の悪化など、一時的な市場ショックの影響を強く受けます。
株式を中心とする投資信託では短期間で二桁の下落率となる局面もあり、積立開始直後や一括投資直後にマイナスとなることは珍しい現象ではありません。
長期運用では、価格下落後の回復局面や利益成長や配当の再投資効果を取り込める可能性があります。
- 短期投資は相場変動の影響を受ける
- 長期投資は回復局面を待てる可能性がある
- 長期保有でも元本回復は保証されない
- 使う時期が近い資金は投資額を抑える
- 余裕資金と投資期間を対応させる
しかし、投資対象国や資産クラスによっては回復に長い年月を要することがあり、長く持てば必ず元本を回復するという考え方は正確ではありません。


運用期間を長く取るためには、教育費・住宅購入費・介護費・老後生活費などとして取り崩す必要がない資金を充てることが前提になります。
短期で使う予定の資金は預金など価格変動の小さい手段で確保し、長期で使わない余裕資金を投資信託へ配分することで、下落局面での不本意な売却を避ける効果が期待できます。
マイナスの確率を完全になくす方法ではなく、価格変動を受け入れられる期間と金額を設計することが、投資信託を継続するうえでの基本です。
| 投資期間の目安 | 主な特徴 | 元本割れの考え方 | 資金の例 |
|---|---|---|---|
| 短期 | 市場変動の影響を受ける | 下落時に回復を待てない場合がある | 数年以内に使う予定の資金 |
| 中期 | 景気循環の影響を受ける | 資産配分と使途の確認が必要 | 時期が決まった大型支出の一部 |
| 長期 | 複数の価格局面を経験する | 変動の平準化が期待される場合がある | 老後資金など長期目的の資金 |
| 全期間共通 | 利益は保証されない | 損失許容度を超えない設計が必要 | 余裕資金 |
暴落した相場は回復する?過去データを読む際の範囲と限界
株式市場は過去に世界的な金融危機や感染症の拡大、急速な金融引き締めや地政学的緊張などを背景に、大幅な下落を繰り返してきました。
幅広い市場へ分散投資する株式指数には、長期的に下落局面から回復してきた事例が多く見られます。
この事実は、暴落時にも長期視点を保つ重要性を示す参考材料になりますが、すべての国すべての指数すべての投資信託が同じように回復することを意味しません。
個別企業は倒産や上場廃止に至ることがあり、特定国の市場では政治・経済の構造変化によって長期停滞が続く可能性もあります。
- 市場には暴落後に回復した事例がある
- 過去の回復は将来の保証ではない
- 個別銘柄や特定国は長期停滞もありうる
- データの通貨や配当込み条件を確認する
- 過去データは資金管理の材料として使う
指数の長期リターンを見る際には、配当込みか円換算か物価上昇を控除した実質ベースか、税金とコストを考慮しているかで結果が変わります。
投資信託の実際の運用成績は、連動対象指数との違い・信託報酬・売買コスト・為替ヘッジコスト・資金流出入などの影響も受けます。
過去の暴落後に回復したからといって、保有するファンドの下落理由を確認せずに放置するのではなく、当初の投資仮説が維持されているかを点検する必要があります。
過去データは将来予測の保証ではなく、想定外の下落を含めた資産配分や生活防衛資金を考えるための資料として活用しましょう。
| 過去データを見る観点 | 確認内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 対象市場 | 世界株式・国内株式・先進国債券など | 市場ごとに回復力は異なる |
| 期間 | 開始日と終了日・保有年数 | 開始時点で結果が変わる |
| 収益の定義 | 配当込み・税引前・円換算など | 条件をそろえて比較する |
| 商品コスト | 信託報酬・売買コスト・為替コスト | 指数実績と実運用は一致しない |
| 将来への利用 | リスク想定と資産配分の検討 | 将来の成果は保証されない |
高いリターンを目指す成長資産ほど値動きが大きい理由
一般的には、高いリターンが期待される成長資産ほど将来の利益見通しや経済環境の変化による価格変動も大きくなる傾向があります。
代表的な成長資産である株式は、企業の将来利益への期待を反映して価格が決まるため、業績予想・金利・景気・競争環境・投資家心理の変化で大きく上下します。
新興国株式・小型株・特定テーマ型株式・テクノロジー関連株式などへ比重を置く投資信託は、成長期待が高いものの期待が修正された際の下落幅も大きくなりえます。
債券は株式より値動きが小さいとされることがありますが、金利上昇局面では債券価格が下落し信用力が低い債券では信用不安による損失も起こりえます。
- 高い期待リターンには大きな変動が伴う
- 成長資産は将来予想の変化を受ける
- テーマ型や新興国型は値動きが大きくなりうる
- レバレッジ型は下落も増幅する
- 耐えられる下落幅から投資額を決める
レバレッジ型投資信託は、特定指数の日々の変動率に一定倍率を乗じる運用を目指す商品があり、上昇局面だけでなく下落局面でも値動きが増幅されます。
高いリターンの実績だけを見て投資額を増やすと、下落時に想定以上の評価損を抱え感情的な売却につながるおそれがあります。
重要なのは過去の平均リターンではなく、一時的にどの程度下がった場合でも家計と心理面で保有を続けられるかを考えることです。
投資信託がマイナスでも借金にならないとしても、大きな元本割れによって将来の資金計画が崩れないよう資産配分と投資額を慎重に決めましょう。
| 資産・商品例 | 期待される特徴 | 主な価格変動要因 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 世界株式型投資信託 | 長期の成長を取り込む | 景気・企業利益・金利・為替 | 市場全体の下落は避けられない |
| 新興国・テーマ型投資信託 | 高い成長を狙う | 政治・需給・期待の変化 | 変動幅が大きくなりうる |
| 債券型投資信託 | 利息収入を狙う | 金利・信用力・為替 | 元本保証ではない |
| レバレッジ型投資信託 | 日々の変動の増幅を目指す | 対象指数の日々の値動き | 長期保有の特性を理解する |
投資信託がマイナスになったら売却すべき?保有を続ける判断基準


投資信託がマイナスになったからといって、すべての場合で直ちに売却すべきとはいえません。
評価損は市場価格の変動によって日常的に発生しうるものであり、売却しなければ損失は原則として確定しません。
しかし、含み損だからという理由だけで保有を続けることも適切ではなく、購入時の目的や商品選択が現在も妥当かを確認する必要があります。
判断の中心となるのは、投資の目的・資金を使う予定時期・保有資産全体の配分・ファンドの運用方針・家計の余裕・許容できる損失額です。
たとえば数年以内に使う教育費や住宅購入資金であれば、回復を待つ間に資金が必要になる可能性があり、リスク資産の比率を下げる判断が必要になる場合があります。
老後資金など長期の目的で低コストの分散型投資信託を積み立てており、家計にも余裕があるなら短期の下落だけを理由に計画を変えない選択肢もあります。
売却か保有継続かの二択に限らず、積立額を減らしたり資産配分を調整したり分散された商品へ乗り換えたり投資を一時停止するなどの方法もあります。






投資信託のマイナスを借金と誤解して慌てるのではなく、必要な現金と長期投資資金を分けたうえで、再現性のある判断基準を持つことが重要です。
含み損が出たときに確認したい投資目的・運用期間・必要資金
含み損が出たときは、まず「何のために投資信託を購入したのか」という投資目的を確認してください。
老後資金・子どもの教育資金・住宅購入の頭金・旅行資金など、目的によって必要な金額と使用時期が異なります。


※AI(Gemini)によって生成されたイメージ図
資金を使う時期が近いほど相場回復を待つ時間は限られるため、投資信託の値動きによる影響を抑える必要があります。
使うまで十年以上ある長期資金であれば、短期的なマイナスだけで計画を変更する必要性は相対的に低い場合があります。
- 投資目的を明確にする
- 資金を使う時期を確認する
- 生活防衛資金を別に確保する
- 家計全体の負債と資産を把握する
- 不安が強い場合は投資額を見直す
投資信託の評価額だけでなく、預金・保険・年金・住宅ローン・その他の投資資産を含めた家計全体の資産と負債を確認しましょう。
生活費の数か月分から一年程度を目安に確保する生活防衛資金や、近い将来の支出予定額まで投資に回している場合は、下落局面で売却を迫られる危険が高まります。
含み損への不安で睡眠や日常生活に支障が出るなら、現在の投資額や株式比率が本人のリスク許容度を超えている可能性があります。
目的・期間・必要資金を言語化すれば、価格の上下ではなく資金計画に基づいて保有継続や売却を判断できるようになります。
| 確認項目 | 確認する内容 | 見直しが必要になりうる例 |
|---|---|---|
| 投資目的 | 何の支出に備える資金か | 目的がなく短期の値動きに振り回される |
| 運用期間 | いつ資金を使う予定か | 数年以内に全額が必要になる |
| 必要資金 | 必要額と確保済みの現金 | 教育費や生活費を投資している |
| 家計余力 | 収入・支出・ローン・緊急資金 | 急な出費で投資資産を取り崩す |
| 心理的許容度 | 下落時に冷静でいられるか | 日常生活へ不安が強く影響する |
売却か保有継続かを判断するタイミング:感情で失敗しない方法
投資信託の評価額が下がると「これ以上減る前に売りたい」という恐怖や「元本へ戻るまで売りたくない」という執着が生まれます。
こうした感情だけで売買すると、下落局面で売却し上昇局面で買い直す行動につながり、長期的な運用成果を損なう場合があります。


感情による判断を抑えるには、相場が落ち着いている時点で売却・継続・積立停止・資産配分変更の条件をあらかじめ決めておく方法が有効です。
たとえば、必要資金の時期が五年以内になったら段階的に現金比率を高める、株式比率が目標配分から大きく乖離したらリバランスするといった基準を設けましょう。
- 恐怖や期待だけで売買しない
- 見直し条件を事前に決める
- 必要資金の時期が近ければリスクを下げる
- 購入理由が失われた商品は再検討する
- 資金計画に沿って判断する
一方で基準価額が何%下がったら必ず売るという単純なルールは、長期積立の目的や市場の変動性を無視する場合があるため目的と合わせて設計する必要があります。
売却を検討する合理的な場面としては、購入理由が失われたりファンドの運用方針が変わったりコストが高すぎたり資産配分が偏りすぎたり必要資金の時期が近づいた場合などが挙げられます。
判断に迷う場合は、保有する投資信託の月次レポートや目論見書を確認し、必要に応じて金融機関や中立的な専門家へ相談することも選択肢です。
重要なのは、投資信託がマイナスでも借金ではないと理解したうえで、短期の価格ではなく事前に決めた資金計画と運用方針に沿って行動することです。
| 判断の場面 | 保有継続を検討する例 | 売却・見直しを検討する例 |
|---|---|---|
| 短期的な市場下落 | 長期目的と分散投資の前提が維持される | 下落のみを理由にした即時売却は慎重に考える |
| 資金の使用時期 | 使用まで長期間ある | 数年以内に必要額が確定している |
| 商品内容 | 方針・コスト・資産配分に納得している | 購入理由や運用方針が変わった |
| 資産配分 | 目標の範囲内に収まっている | 特定資産へ過度に偏っている |
| 家計状況 | 生活防衛資金を確保している | 生活費や返済資金が不足している |
ファンドの運用方針・資産配分・信託報酬を見直すべきケース
投資信託がマイナスになった際には、基準価額の下落そのものだけでなく保有しているファンドが現在も投資目的に合っているかを確認する必要があります。
市場全体の下落が主な原因で、ファンドが対象指数や運用方針に沿って運用されているなら、短期的な評価損だけで商品を変更する必要はない場合があります。
購入時には理解していなかった特定国・特定業種への集中、為替リスク・レバレッジ・複雑なデリバティブ利用などがあり、想定以上の値動きとなっているなら見直しが必要です。
アクティブファンドでは、長期間にわたりベンチマークを下回っているか運用担当者や運用方針が大きく変わっていないか、コストに見合う成果や役割があるかを確認します。
- 下落理由が市場全体か商品固有かを分ける
- 投資対象と運用方針を確認する
- 資産配分の偏りを点検する
- 信託報酬と実質コストを比較する
- 乗り換えは目的に基づいて行う
インデックスファンドでは、連動対象指数・純資産総額・信託報酬・実質コスト・乖離の状況などを比較し、より低コストで目的に合う選択肢がないかを検討します。
信託報酬は保有期間中に継続して純資産から差し引かれるため、長期運用ではわずかな差でも運用成果に影響する可能性があります。
ただし、下落した投資信託を売却して別の商品へ乗り換えると売却時点で損益が確定し、新NISAでは損益通算できない点にも注意が必要です。
見直しは損失を取り戻すための短期的な乗り換えではなく、目的・資産配分・コスト・運用内容を整えるための定期点検として行いましょう。
| 見直し項目 | 確認内容 | 見直しを検討する例 |
|---|---|---|
| 運用方針 | 投資対象・地域・指数・運用手法 | 購入時の理解と実際の商品性が異なる |
| 資産配分 | 株式・債券・現金・地域別の比率 | 特定資産や特定国へ偏りすぎている |
| 信託報酬 | 保有中に継続してかかる費用 | 同等目的の商品より著しく高い |
| 純資産総額 | ファンドの規模と資金流出入 | 規模縮小が続き運用継続性に懸念がある |
| 運用実績 | ベンチマークとの差と要因 | 方針に対する結果を説明できない |
生活費や近い将来に使う現金まで投資しないための余裕資金の考え方
投資信託がマイナスになっても借金にならない状態を保つためには、現金で購入することに加えて生活費や近い将来に必要となる資金を投資へ回しすぎないことが重要です。
余裕資金とは、毎月の生活費・税金や社会保険料・住宅ローンなどの返済・教育費・医療費・緊急時の支出を差し引いても当面使う予定がない資金を指します。
収入が減った場合や病気・失業などの想定外の事態にも対応できるよう、投資とは別に生活防衛資金を預金などで確保する考え方が一般的です。
生活防衛資金の必要額は、世帯人数・雇用の安定性・住宅費・扶養家族・保険の内容・収入源の数などで異なるため、一律の金額だけで決めることはできません。
- 生活費と投資資金を混同しない
- 生活防衛資金を預金などで確保する
- 近い将来に使う資金は値動きを抑える
- 借入がある場合は返済計画を確認する
- 無理のない積立額を設定する
近い将来に使うことが決まっている資金は、相場が下落した時期でも取り崩さなければならない可能性があるため、値動きの大きい投資信託とは分けて管理する必要があります。
クレジットカードのリボ払い・カードローン・教育ローンなど高い金利の債務がある場合は、投資信託への追加投資より返済を優先すべき状況もあります。
積立額は相場が下がった場合ではなく、収入減や臨時支出が発生した場合でも無理なく継続できる金額から設定するようにしましょう。
余裕資金の範囲で投資を行うことで、マイナス局面でも生活のために慌てて売却する可能性を抑え、投資信託と借金を切り離した健全な資産管理につながります。
| 資金の区分 | 主な用途 | 管理方法の例 | 投資信託への配分 |
|---|---|---|---|
| 日常生活資金 | 毎月の生活費・引落し | 普通預金など | 原則として充てない |
| 生活防衛資金 | 病気・失業・緊急支出 | 預金など流動性の高い資産 | 原則として充てない |
| 近い将来の予定資金 | 教育費・住宅費・車購入費 | 時期に応じて預金や安全性重視の手段 | 時期が近ければ抑える |
| 長期の余裕資金 | 老後・長期の資産形成 | 目的に合う分散投資 | リスク許容度の範囲で配分する |
| 借入返済資金 | ローン・カード利用代金 | 返済計画に基づく現金管理 | 返済を優先して検討する |
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結論:投資信託がマイナスでも借金にはならない
- 現金で買う投資信託の損失は原則として投資額まで
- 評価損益のマイナスは借金や追証を意味しない
- 信用取引や借入を使う投資では債務が残る場合がある
- NISAでも元本割れはあるが値下がりだけで借金にはならない
- 余裕資金・長期目線・資産配分でリスクを管理する
通常の投資信託を証券口座の買付余力の範囲で現金購入している限り、基準価額が下落して評価損益がマイナスになっても、原則として投資額を超える借金にはなりません。
投資信託のマイナスは、保有する受益権の評価額が購入元本を下回っている元本割れを表しており、証券会社や運用会社へ追加で支払うべき債務とは異なります。
借金や追加証拠金が問題になるのは、信用取引・先物・オプション取引・FX・CFDなどの証拠金取引を利用した場合や、投資資金をローンで借りた場合や、買付代金の決済ができない場合などです。






新NISAで保有する投資信託についても、非課税制度である点を除けば価格下落による元本割れの仕組みは通常の投資信託と同じであり、値下がりだけで借金になることは原則ありません。
ただし投資信託には元本保証がなく、株式市場の下落・金利変動・為替変動・信用不安などによって評価額が大きく減少する可能性があります。
証券口座がマイナスになったときは価格だけを見て慌てて売買せず、投資目的・運用期間・必要資金・家計の余裕・保有ファンドの内容・資産配分を確認することが大切です。
生活費・教育費・住宅資金・返済資金など使う時期が近いお金は投資資金と分け、下落局面で不本意な売却をしなくて済む資金管理を行いましょう。
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